第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

チーム医療

[O117] 一般演題・口演117
チーム医療02

Sat. Mar 2, 2019 4:00 PM - 5:00 PM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:乾 早苗(金沢大学附属病院 救急部)

[O117-3] 救命ICUにおける経口摂取に向けた取り組み -ベッドサイドでできる簡易摂食嚥下評価を用いて-

菅 智行1, 野上 光2, 新村 姿2, 池田 成美2, 篠原 美紀2, 井上 季咲2, 大澤 慶子2, 安達 朋宏3, 吉川 和秀3, 庄古 知久3 (1.東京女子医科大学東医療センター 臨床栄養部, 2.東京女子医科大学東医療センター 看護部, 3.東京女子医科大学東医療センター 救急医療科)

【背景】救命Intensive Care Unit (ICU)では2014年4月に救命Nutrition Support Teamを発足し経腸栄養・排便管理を目的として活動してきた.救命ICUでは,その特殊性から摂食嚥下障害を呈する患者が多く,栄養管理は強制栄養が中心となっていたが,2016年11月から積極的な経口摂取移行を狙い,反復唾液嚥下テスト(RSST),改定水飲みテスト(MWST),フードテスト(FT)からなる簡易摂食嚥下評価を行ってきた.【目的】摂食嚥下障害が疑われる患者に簡易摂食嚥下評価を行い,適切な食事形態をスクリーニングすることで栄養投与経路の経口投与への移行を目指す.【方法】後ろ向き観察研究.対象は2016年11月から2018年7月の間に救命ICU管理となり,摂食嚥下障害が疑われる20歳から89歳までの患者.簡易摂食嚥下評価を行い,経口摂取開始の可否と食事形態の決定を行った.経口摂取開始の可否と原疾患分類,認知症の有無,挿管期間の有無,気管切開の有無,酸素投与の有無,NGTの有無,気管切開の有無,Glasgow Coma Scale(GCS),RSST,MWST,FTの関連と食事開始時の食事形態を調査した.また,活動開始後の救命ICU入床患者の経口摂取割合の推移を調査した.【結果】評価を行った230例のうち経口摂取開始可能例は180例(78.3%)であった.経口摂取開始の可否とはNGTの有無,GCS,RSST,MWST,FTで関連がみられた.水分にとろみが必要な患者は51%であった.選択した食事形態はペーストとろみ食が32%,ソフトとろみ食が24%を占めていた.活動開始以降,救命ICUの経口摂取割合は増加しながら推移した.【結論】摂食嚥下障害が疑われる重症患者に簡易摂食嚥下評価を行い,適切な食事形態を選択することで,多くの患者が経口摂取への移行が可能であった.