第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

チーム医療

[O117] 一般演題・口演117
チーム医療02

Sat. Mar 2, 2019 4:00 PM - 5:00 PM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:乾 早苗(金沢大学附属病院 救急部)

[O117-6] クリティカルケア領域における急性・重症患者看護専門看護師のチームビルディングに関する研究

住永 有梨 (昭和大学病院 看護部)

【背景】急性・重症患者看護専門看護師(以下CCNSとする)は、医療専門職と協働しチーム医療を発展することが患者アウトカムを決定する重要な要因であると考え、医師と協働して医学的判断と治療の質を確保し、管理者との協働でチームを調整することによって患者の変化に対応する。しかし、チーム医療を立ち上げるための能力や、チーム医療を維持・推進していくための能力については研究されておらず、明らかになっていない。【目的】クリティカルケア領域においてCCNSの臨床場面でのチームビルディングにおける判断、支援、能力を明らかにする。【方法】過去にチームビルディングを行ったことがあるCCNS8名を対象として、チームビルディングの実践症例を半構造化インタビューをし、得られた語りを分析する質的記述的研究とした。【結果】CCNSがチームで介入が必要とした判断として、【家族/医療者・医療者間のコミュニケーションが悪くお互いを理解できていない】などの5カテゴリを抽出した。CCNSがチームメンバーに行った支援として、【看護師が個別性の高いケアを立案するため他職種の意見を取り入れるよう支援する】、【問題解決のためシステムや組織の考え方を見直す】などを代表とした10カテゴリを抽出した。CCNSがチームビルディングを行うために必要とした能力として、【専門性の高い実践力とそれを説明できる言語化能力】、【チームメンバーを尊重し、アサーティブな関係を築く能力】、【コンフリクトから協働へと導くコミュニケーション力】、【倫理的問題や看護ケアの質向上に影響を与える組織の問題を分析する能力】の4カテゴリを抽出した。【結論】各カテゴリの関係性を検討した結果、CCNSのチームビルディングの判断、支援、能力は、【専門性の高い実践力とそれを説明できる言語化能力】、【チームメンバーを尊重し、アサーティブな関係を築く能力】、【コンフリクトから協働へと導くコミュニケーション力】、【倫理的問題や看護ケアの質向上に影響を与える組織の問題を分析する能力】の4つの能力を基盤として、倫理的な問題や医療者のコミュニケーションの問題から治療やケアが停滞すると予測されることに対して、チームメンバーの思いに共感し、チームの関係を良好に保ち、問題解決のためシステムや組織の考え方を見直すための支援をチームビルディングのプロセスに沿って行うことが明らかとなった。