第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

チーム医療

[O118] 一般演題・口演118
チーム医療03

Sat. Mar 2, 2019 5:00 PM - 5:50 PM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:伊藤 有美(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻)

[O118-6] 周術期管理における特定看護師の役割

山下 祐貴1, 北川 裕利1, 高橋 完1, 今宿 康彦1, 水野 隆芳2, 中井 智子3, 島本 行雄3 (1.滋賀医科大学 麻酔学講座, 2.滋賀医科大学付属病院 救急集中治療部, 3.滋賀医科大学 看護師特定行為研修センター)

【はじめに】滋賀医科大学では、平成28年度より看護師特定行為研修が開始され、12名の卒業生を輩出している。そのうち1名が麻酔科専属の周麻酔期特定看護師として勤務を開始している。近年、手術件数の増加・麻酔科医の活動領域の拡大など麻酔関連医療の需要の増加により、多職種との協働・役割分担を行うことで、麻酔科医の負担軽減や周術期医療の効率化・医療の質・安全性の向上に有用と考えられており、周術期に特化した周麻酔期特定看護師の有効活用に期待されている。当院の周麻酔期特定看護師の活動と今後の課題・展望について報告する。【活動の実際】業務は手術患者への術前・術中・術後活動に分けられる。術前評価を麻酔科医と共有し、麻酔方法検討や問題点への対応等について検討する。麻酔の説明の補足に加え、術中の全身管理の補助を麻酔科医とペアとなり担当する。担当する症例は,比較的麻酔管理上問題のない患者を中心に行うが、心臓外科や呼吸器外科手術など特殊な技術を要する症例を担当することもある。こうした活動のすべてを麻酔科医の直接指示で一定期間トレーニングを行い、終了後は人工呼吸器設定調節、鎮痛薬・鎮静薬の投与量調節,循環作動薬の投与量調節などの特定行為を、手順書により実践していく予定にしている。また、術後も病棟訪問を行い、合併症の確認や術中経過についても患者や家族にわかりやすく伝え、訴えを傾聴し、不安の軽減に努めている。【課題】看護師特定行為研修修了時点での周術期管理における知識・技術は不十分であり、麻酔科医の指導の下に全身管理を含めた周術期管理を学ぶ必要がある。研修修了生が手術室で働くためには、終了後の継続教育が必要であり、OJTによる研修と教育プログラムの整備が急務である。【結語】特定行為研修修了生が麻酔科チームの一員として周術期管理の補助を行っている。看護師特定行為の範囲内でのタスクシフトにより、麻酔科診療の質と医療安全,患者の満足度向上に貢献できると考える。