第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

患者管理

[O119] 一般演題・口演119
患者管理04

Sat. Mar 2, 2019 8:45 AM - 9:45 AM 第21会場 (グランドプリンスホテル京都B1F ローズルーム)

座長:大槻 勝明(総合病院土浦協同病院看護部)

[O119-2] ロング日勤勤務の時間外減少に向けた取り組み

柴田 京子, 大久保 雅美 (公益法人 筑波メディカルセンター病院 看護部)

【背景】看護師の勤務環境として月平均20時間以上の残業時間(帰宅時刻が不規則),および3 交代勤務であるという条件にあてはまる看護職者は,慢性疲労が蓄積されやすいことがいわれている(日本看護協会,2009). A病院ICU病棟での看護師の時間外勤務の時間数も多く,疲労の訴えも多いことから慢性疲労をもたらし,心身の疲労から健康を害しかねないリスクがあることである.とくに,ICU病棟では生命の危機に直面した患者が入院しており,看護職の心身の健康が保たれてこそ,安心・安全な質の高い看護ケアの提供が可能となると考える.そのため,業務が煩雑なICU病棟の業務を随時見直し,調整を図ることにした.【目的】ロング日勤勤務の時間外労働の実態から業務内容を見直し問題点に介入して時間外の減少を図る.【方法】1.対象:A病院ICU所属の看護師32名 2.データ収集方法と内容A)時間外の時間数とその理由は院内で定められた記録用紙に記載しているものから収集したB)ICUの転入・転出時間・看護必要度等は管理日報から算出したC)1日の業務の流れを研究者が観察し記録した3.データ収集期間A)2016年4月1日~2018年2月29日4.倫理的配慮:倫理委員会に承認を得て,調査対象者への調査目的の説明を行い,協力の同意を得た.5.分析方法A)ロング日勤時間外の時間数の算出B)業務の現状,転入・転出時間は研究者が観察し,看護必要度・看護記録数,記録に要した時間を分析した【結果】1.調査結果A)業務調整前ロング日勤者の時間外勤務の平均時間は8.86時間(SD±2.10)B)転出時間は10時~11時で,転入時間は12時~18時であり,転入・転出は火曜日から木曜日が多かったC)ロング日勤者が長期患者を受け持ち,看護必要度が高く,記録数・記録に要する時間も多かったD)朝の申し送り時間が30分を超えることが多く,業務開始時間は9時過ぎであった2.調査結果後の介入内容A)申し送りを廃止し9時前には業務開始できるよう調整したB)ロング日勤者の受け持ちを転入・転出患者を中心としたC)転入・転出の多い時間帯に遅番を導入し業務を補完し合い記録時間を確保したD)ロング日勤者の時間外勤務の時間の平均時間は3.40時間(SD±2.14).【結論】安心・安全な質の高い看護ケアの提供をするためには,看護師がゆとりをもって患者に対応できる状況を作り出す必要がある.常に,看護業務の状況を把握し,その分析を適して改善の方向性を明らかにすることが,時間外減少を図ることに繋がる.