[O125-6] 循環器外科術後患者の早期離床に関連する要因の検討
【背景】循環器外科術後患者に対する早期離床は予後の改善やQOLの向上に寄与するとされている。当院ICUでも術後早期から離床を目指しているが、その開始が遅延する症例も経験する。離床遅延は手術要因、患者要因、医療従事者のマネジメント要因などが存在すると考えられる。早期離床に関連する要因を検討し、見直すことは、 循環器外科術後患者の離床を適切に進めるうえで重要であると考える。【目的】当院ICUにおける循環外科術後患者の早期離床へ関連する要因を後ろ向きに検討し、今後の早期離床の質向上を図るための基礎情報とする。【方法】2015年4月から2016年3月に冠動脈バイパス術および弁膜症による弁置換術、弁形成術を受け、ICUへ入室した成人患者を対象とした。除外は、術後IABP使用患者とした。術後1日目に端座位をとれた群(E群)と、術後1日目に端座位がとれなかった群(N群)に分けて、両群を比較した。本研究に際し、当院の倫理委員会の承認(承認番号:M16233)を受けている。【結果】対象者は59名、男性38名(64%)、女性21名(36%)、年齢70(61-76)歳、術式の内訳は冠動脈バイパス術が21件(35.6%)、弁置換術および弁形成術が22件(37.3%)、複合手術が16件(27.1%)であった。このうちE群は27名(45.8%)、N群は32名(54.2%)であった。E群とN群で比較し、有意差のあった項目を表に示す。【結論】術後1日目に端座位が実施できた患者では、できなかった患者と比べ、SOFA scoreが低く、術直後の肺動脈圧が低く、術後1日目のGCS得点が高く、血清アルブミン値が低くかった。