[O126-3] ICU入室患者の超音波およびNIRSによる骨格筋評価の検討
【はじめに】
集中治療室関連筋力低下(ICU-AW)は生命予後および機能予後に影響する。ICU-AWは徒手筋力検査(MRC score)により評価されるが、患者協力が必要といった問題が存在する。超音波および近赤外線分光法(Near-infrared spectroscopy: NIRS)を使用した骨格筋評価は患者協力が不要でベッドサイドで簡便に実施できる。本研究ではICU患者における超音波およびNIRSによる骨格筋評価とMRC scoreの関係を検討した。
【対象と方法】
2017年11月から2018年7月に当院ICUに入室した30例を対象とした。研究の実施に際し、当院倫理委員会の承認後に対象者もしくは代諾者に説明し同意を得た。同意取得後に診療録より基本情報(診断名、年齢、性別)、SOFA scoreを調査した。ICU入室後48時間以内に、初回の超音波による大腿直筋筋厚(筋厚)とNIRSによる組織酸素飽和度(tissue oxygen saturation;StO2)を評価し、指示動作が可能となりMRC scoreの測定が可能となるまで隔日で評価を継続した。MRC scoreと筋厚およびStO2の関係についてspearmanの順位相関係数を用い検討した。
【結果】
対象の内訳は男性22例、年齢は71.8±11.5歳、BMIは22.1±3.1、SOFA scoreは7.7±3.3であった。ICU入室から初回測定までの期間は1.1±0.4日で、測定期間は2.1±1.8日であった。疾患内訳は心臓外科手術後17例、呼吸器疾患8例、外科手術後3例、消化器疾患2例であった。MRC scoreとMRC測定時の筋厚とは相関関係を認めなかった(r = 0.3 , p = 0.1)が、測定期間中の最低StO2とMRC scoreは相関関係を認めた(r = 0.43 , p = 0.015)。
【まとめ】
MRC scoreとMRC測定時の筋厚は相関関係を認めず、測定期間中の最低StO2は相関関係を認めた。NIRSを使用したStO2の測定は骨格筋評価に有用である可能性が示唆された。
集中治療室関連筋力低下(ICU-AW)は生命予後および機能予後に影響する。ICU-AWは徒手筋力検査(MRC score)により評価されるが、患者協力が必要といった問題が存在する。超音波および近赤外線分光法(Near-infrared spectroscopy: NIRS)を使用した骨格筋評価は患者協力が不要でベッドサイドで簡便に実施できる。本研究ではICU患者における超音波およびNIRSによる骨格筋評価とMRC scoreの関係を検討した。
【対象と方法】
2017年11月から2018年7月に当院ICUに入室した30例を対象とした。研究の実施に際し、当院倫理委員会の承認後に対象者もしくは代諾者に説明し同意を得た。同意取得後に診療録より基本情報(診断名、年齢、性別)、SOFA scoreを調査した。ICU入室後48時間以内に、初回の超音波による大腿直筋筋厚(筋厚)とNIRSによる組織酸素飽和度(tissue oxygen saturation;StO2)を評価し、指示動作が可能となりMRC scoreの測定が可能となるまで隔日で評価を継続した。MRC scoreと筋厚およびStO2の関係についてspearmanの順位相関係数を用い検討した。
【結果】
対象の内訳は男性22例、年齢は71.8±11.5歳、BMIは22.1±3.1、SOFA scoreは7.7±3.3であった。ICU入室から初回測定までの期間は1.1±0.4日で、測定期間は2.1±1.8日であった。疾患内訳は心臓外科手術後17例、呼吸器疾患8例、外科手術後3例、消化器疾患2例であった。MRC scoreとMRC測定時の筋厚とは相関関係を認めなかった(r = 0.3 , p = 0.1)が、測定期間中の最低StO2とMRC scoreは相関関係を認めた(r = 0.43 , p = 0.015)。
【まとめ】
MRC scoreとMRC測定時の筋厚は相関関係を認めず、測定期間中の最低StO2は相関関係を認めた。NIRSを使用したStO2の測定は骨格筋評価に有用である可能性が示唆された。