第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

血液浄化 研究

[O134] 一般演題・口演134
血液浄化 研究03

Sat. Mar 2, 2019 5:10 PM - 5:50 PM 第22会場 (グランドプリンスホテル京都1F ロイヤルルーム)

座長:柏原 謙(京都桂病院 臨床工学科)

[O134-4] 当院でのCHDF治療前後におけるSOFAスコアと血中乳酸値の変化に関する検討

清水 信之, 藤田 智一, 間中 泰弘, 杉浦 由実子 (医療法人 豊田会 刈谷豊田総合病院 臨床工学科)

目的敗血症での指標としてSOFAスコアと血中乳酸値の有用性は報告されている。当院でもnon-renal indicationを目的としたCHDFが適応となる症例も多く、CHDF治療前後におけるSOFAスコアおよび血中乳酸値に対し後ろ向き調査を行い有用性の検討を行ったので報告する。方法当院で2017年にPMMA、AN69を用いてCHDFを実施した115症例を生存群85例、死亡群30例の2群に分け、両群間での治療前後のSOFAスコア、血中乳酸値をMann-Whitney U検定にて比較した。また治療前後での改善に関してWilcoxon符号付順位和検定にて比較した。検定はP<0.05以下を有意差ありとし、28日生存を生存群とした。結果生存群のCHDF前SOFAスコア(以下pre-SOFA)の中央値(25%-75%):10(8 -12)と死亡群pre-SOFA:13(9.5-15)を比較し死亡群が有意に高く(P=0.0128)、生存群のCHDF前血中乳酸値(以下pre-LAC:mmol/L):2.49(1.55-4.42)と死亡群pre-LAC:3.33(1.76-8.99)で差はみられなかった(P=0.0745)。生存群のCHDF後SOFAスコア(以下post-SOFA):7(5-10)と死亡群post-SOFA:13(10-16)では生存群が有意に低く(P=1.1e-8)、生存群のCHDF後血中乳酸値(以下post-LAC):1.27(0.94-1.57)と死亡群post-LAC:2.14(1.45-3.38)では有意に生存群が低かった(P=8.23e-6)。また生存群SOFAスコアは治療前と比較し治療後有意に低下した(P=7.21e-13)。血中乳酸値も同様の結果が得られた(P = 2.47e-13)。死亡群においてはいずれも有意差を得られなかった(P>0.05)。結論SOFAスコア、血中乳酸値は生存群においてCHDF治療前と比較し、治療後で有意に低下、改善傾向であり、その変動をみることでCHDF治療評価の指標としては有用な可能性がある。今回は患者の疾患や年齢など多くの要因で検討は行っていないため、様々な治療が並行して行われる集中治療領域では多くの観察項目や評価法も踏まえたうえで経過を評価すべきであると考える。