第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

安全・安楽

[O140] 一般演題・口演140
安全・安楽

Sun. Mar 3, 2019 10:35 AM - 11:25 AM 第11会場 (国立京都国際会館1F Room C-2)

座長:川口 昌彦(奈良県立医科大学麻酔科)

[O140-3] 合併症対応における外傷・救急外科医によるSurgical Rescueについて

森下 幸治, 相星 淳一, 加地 正人, 大友 康裕 (東京医科歯科大学医学部附属病院 救命救急センター)

[はじめに] 救急・集中治療領域において手技に伴う合併症例に対しては、医療安全において、速やかかつ適切な対応が重要である。外傷・救急外科医は血管損傷をはじめとした穿通性外傷の初期対応や手術・集中治療管理に普段から精通しており、緊急対応において重要な役割を果たすことが期待される。当院における、手技に伴う合併症に対応する外傷・救急外科医の役割について報告する。[方法] 2011年1月から2018年8月の8年間において外傷・救急外科医が初期診療・手術対応した穿刺手技に関連した症例を後方視的に調査した。[結果] 緊急手術を必要とした穿刺手技に伴う合併症は12例であり、その内訳は体腔穿刺に伴うもの3例(腹腔2例、胸腔1例)、血管穿刺(動脈穿刺、体外循環カテーテル穿刺など)に伴うもの9例(上腕動脈2例、橈骨動脈1例、大腿動脈4例、総腸骨静脈1例、下腹壁動脈1例)であった。体腔穿刺に伴う合併症に対しては、腹壁・胸壁の止血術、臓器損傷の修復術が行行われ、血管損傷に伴うものに対しては血管を修復(縫合など)で対応した。すべての合併症に対して、速やかにバイタル管理および手術対応が行われ、対処に対する経過は良好であった。[考察・まとめ] 外傷・救急外科医の合併症への適切な対応は患者の予後に影響する可能性があり、内科系のRRSみならず救急・外傷外科のスキルをもった医師の院内急変対応Surgical Rescueも重要であると思われる。