第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

ショック

[O15] 一般演題・口演15
ショック03

Fri. Mar 1, 2019 5:55 PM - 6:45 PM 第7会場 (国立京都国際会館1F Room E)

座長:高澤 知規(群馬大学医学部附属病院集中治療部)

[O15-1] 敗血症性ショック急性期の心拍数コントロールは、ベータ遮断薬?それともIfチャネル阻害薬?

上村 和紀, 川田 徹, 鄭 燦, 李 梅花, 杉町 勝 (国立循環器病研究センター循環動態制御部)

【背景】犬LPSショックで、ベータ遮断薬:ランジオロルは、超急性期の循環蘇生を阻害せず心拍数(HR)・心筋酸素消費量(MVO2)を低下した (Shock 2018 in press)。しかし、循環虚脱リスクを完全にはぬぐえない。【目的】Ifチャネル阻害薬: イバブラジンは、低リスクでHRコントロールしうる。犬のLPSショックにおいて、イバブラジンによるHRコントロールが、超急性期循環蘇生に及ぼす影響を検討した。【方法】麻酔下犬19頭にて大腸菌LPSを投与、ショック状態を作成。7頭を対象群(CT)、6頭をランジオロル群(BB)、6頭をイバブラジン群(IVA)とした。CTとBBは先行研究データ(上記)を使用。循環蘇生は、コンピュータ制御循環管理システム (BMC Anesthesiol 2017)を用い4時間行った。システムは、ノルアドレナリン(NA)とリンゲル液(RiA)の投与をコンピュータ制御、血圧(AP)・心拍出量(CO)を自動的にショック状態から改善する。BB群ではランジオロル持続投与(10ガンマ以下で用手的調節)、IVA群ではイバブラジン0.25mg/kgを2時間おきにワンショット静注した。【結果】循環蘇生中のAP(図1)・CO(図2)は3群で有意差なかった。NA・RiAの投与量(図3)は3群で有意差なかった。蘇生前半2時間にて、HRはBB・IVA両群ともCT群より有意に低下したが(図4)、MVO2はBB群でのみ有意に低下した(図5)。蘇生終了後に、乳酸値はBB群においてのみ有意に低下した(図6)。【結論】LPSショックにおいて、イバブラジンは、ランジオロルと同程度にHRを抑制できる。しかし心保護・微小循環改善の点ではランジオロルが有効かもしれない。
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