第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

RRS

[O150] 一般演題・口演150
RRS03

Sun. Mar 3, 2019 9:35 AM - 10:35 AM 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:倉迫 敏明(姫路赤十字病院 麻酔科)

[O150-7] 当院におけるCCOT導入による病棟看護師のRRS起動への効果

目黒 義弘1, 工藤 由子1, 橋本 敦子1, 島田 由美子2, 松村 基子1, 藤本 佳久2, 内藤 貴基3, 藤谷 茂樹3, 則末 泰博2 (1.東京ベイ浦安市川医療センター 看護部, 2.東京ベイ浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門, 3.聖マリアンナ医科大学 救急医学 集中治療部)

【背景】当院では2013年からRapid Response System(以下RRS)を導入した。しかし院内急変でICU治療を必要となった患者(予定外ICU入室)におけるRRS介入率は2015年12月から2017年8月で1割であり、RRSは急変対応チームであると認識されている現状があった。多忙を極める一般病棟の起動に依存するシステムでは限界があると考え、急変を未然に防ぐより安全なシステム構築のため、2017年7月からICU看護師によるcritical care outreach team(CCOT)を新たなチーム形態として導入した。CCOTではICU退室患者に限定せず、看護師が懸念を抱く患者に対する新たな治療介入の必要性の評価と呼吸数が先行する病状悪化のサイン、気づきの視点の提示といった病棟看護師の重症化検知感度向上とRRS起動のタイミングを共有し、RRS起動のハードルを下げることを重点に実施している。【目的】一般病棟での呼吸数測定率、RRS起動率、予定外ICU入室におけるRRS介入割合を調査し、CCOT導入によるRRSの促進効果を評価した。【方法】非CCOT導入期間2016年7月18日から2017年7月17日、CCOT導入期間2017年7月18日から2018年5月31日の一般病棟での呼吸数測定率、RRS起動率、予定外ICU入室におけるRRS介入割合を導入前後の期間で比較した。【結果】期間中のCCOT総件数は1163件であり、ICU退室患者は903件、病棟看護師が懸念を抱いた症例が252件、他13件であった。CCOT導入期間中の生存ICU退室患者は998件で、90%の患者をフォローできていた。呼吸数測定に関しては非CCOT導入期間40.7%(1787/4389人)、CCOT導入期間77.2%(3389/4392人)で有意に増加していた(p<0.01)。RRS起動率(1000退院あたりに)は非CCOT導入期間10.0‰(97件)、CCOT導入期間16.6‰(150件)であり有意に増加していた(p=0.02)。非CCOT導入期間病棟看護師の起動RRS件数9.21‰(89件)CCOT導入期間CCOT関与のない(CCOTが起動していない)病棟看護師の起動RRS件13.4‰(121件)で有意に増加していた(p<0.01)。ICU総入室患者数は非CCOT導入期間1008件、CCOT導入期間924件であり、予定外ICUは非CCOT導入期間170件(16.8%)、CCOT導入期間106件(11.4%)であった。予定外ICU入室におけるRRS介入は非CCOT導入期間36件(21.2%)、CCOT導入期間38件(35.8%)で有意に増加していた(p<0.01)。【結論】当院においてCCOTを導入した結果、病棟看護師の自発的なRRS起動を促進できている可能性がある。