[O152-3] National Early Warning Score(NEWS)は敗血症性ショック患者の死亡退院の予後予測に有用である
【背景・目的】National Early Warning Score(NEWS)は, バイタルサインでスコアリングできる非侵襲的かつ簡便なシステムであり, 急性患者重症度判定に英国で汎用され, 病院前早期警告スコアとして有用とされる. 一方でAPACHE2, SOFAはICUにおける予後予測スコアリングシステムとして既知である. 当院では, 電子カルテシステムにNEWSを導入し, Rapid Response Systemにおける客観的指標として活用している. 今回, ICUに入室した敗血症性ショック患者のNEWSが死亡退院の予後予測を反映するか検討し, 既知のスコアリングシステムとの関係性を調査した.【方法・対象】2016年4月から2018年8月までに当院ICUに入室した敗血症性ショック患者55 名 (男30名：女25名)のNEWS, APACHE2, SOFAを算出し，NEWSとAPACHE2, SOFAが相関するかを評価した. また, ROCを用いて死亡退院の予測能をそれぞれ解析した．入室後24時間以内の死亡, データの欠落している患者については除外した.【結果】NEWSはAPACHE2 (r=0.47, P=0.0002), SOFA (r=0.38, P=0.004)と有意な相関を認めた. 死亡退院は16名であった. NEWSのAUCは0.79, カットオフ値を10点とすると感度87.5%，特異度66.7%であり, 他のスコアのAUC (APACHE2：0.71, SOFA：0.69)よりも高値であった．【結語】NEWSは病院前早期警告スコアとしてだけでなく，敗血症性ショック患者の死亡退院の予後予測に有用であった．