第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

RRS

[O152] 一般演題・口演152
RRS05

Sun. Mar 3, 2019 11:35 AM - 12:25 PM 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:渥美 生弘(聖隷浜松病院救命救急センター)

[O152-6] 外来部門へのRapid Response System 導入

鈴木 将平, 毛利 友美, 佐藤 幸男, 金子 靖, 上倉 英恵, 友成 悠邦, 藤田 智子, 葉 季久雄 (平塚市民病院 救命救急センター)

【はじめに】Rapid Response System(RRS)導入による効果はすでに既報の通りである。今回、我々はまず外来部門にRRSを導入した。【目的】外来RRS導入に至った経緯、導入後の起動事案・内容から、今後の方策を検討することを目的とした。【当院の背景】当院は救命救急センターを有する地域公立病院である。患者急変時は原則主治医コールとなっているが、緊急応援要請は緊急コールシステム(スタットコール)で対応している。病棟入院患者の急変は主治医らに直ちに連絡され、主治医・当直医らにより対応がなされている。一方で、検査部門等の外来部門での急変時は、ERに直接応援要請の依頼があるか、緊急コールでの招集が時折かかる。緊急コールにより多くの職員が参集するものの、複数の指揮命令系統が存在し、時に命令が相反し現場が混乱に陥っていた。【外来RRSの導入】急変時の対応を系統的に行うために、RRSの立ち上げを目的として救急部門で2014年から勉強会を立ち上げた。問題点が明確となっていた外来部門への導入を第一の目標とし、複数回の検討を重ねた結果、チームは救命救急センター医師・看護師が現場に向かうMET(medical emergency team)、活動時間は平日・日中とし、シングルパラメーターでのRRS起動基準を作成した。救命救急センター運営会議にRRS小委員会を設置し、医療安全管理室に参画を依頼した。外来看護師への勉強会、各部門長への説明会後、2018年1月からRRSを開始した。【結果】開始後9か月間で12件のRRSが起動された。コールは外来駐車場が4件、放射線部門が4件であった。CPAは2件(駐車場1件、造影剤アレルギー1件)であった。リーダー医師を中心とした統制のとれた現場活動が可能であった。造影剤アレルギーが発生しやすい放射線部門では、放射線診断科医師が中心となって外来RRSとリンクした造影剤アレルギー対応マニュアルが作成された。また、外来駐車場が危険エリアであることが示唆され、「駐車場RRS」の整備に繋がった。【今後の展望】外来部門におけるRRSは問題なく導入可能であった。各起動事案はフィードバックを行い、RRS起動への躊躇を取り払うことを意識した。現在は、病棟入院患者へのRRSについて検討中である。外来への導入にあたり、「いかにして呼んでもらうか」が重要であり、異常な所見の発見もさることながら、シンプルなシングルパラメーターでの起動が病棟RRS導入への鍵と考えている。