[O156-2] Goodpasture症候群を発症しVV-ECMO導入下に血漿交換を行い救命し得た1例
【緒言】Goodpasture症候群(GPS)は抗糸球体基底膜(GBM)抗体の存在のもとに肺胞出血、進行性糸球体腎炎を呈する稀な疾患である。今回、肺胞出血初発型のGPSを発症しVV-ECMOを導入しステロイドパルス療法、血漿交換療法(PE)、免疫抑制剤が奏功し救命できた1例を経験したので報告する。
【症例】喫煙歴、喘息既往のある34歳女性。数日前より倦怠感、咳嗽、呼吸苦を認め前医受診し呼吸不全にて当院搬送。来院時より低酸素を認め、リザーバーマスク、NHFでは酸素化維持できずAPRVでの挿管人工呼吸管理となった。画像診断、気管支鏡検査より肺胞出血を認め、自己免疫疾患疑いにてステロイドパルス療法を開始。第3病日P/F比48.2(Murray score:3.5)にてVV-ECMO導入(右内頚静脈経由右房脱血23Fr、右大腿静脈送血19Fr)し、人工呼吸器はLung Rest設定とした。遠心ポンプはMixFlow(JMS)、人工肺はBIOCUBE6000(NIPRO)、ヘパリンコーティングのLong回路を使用し、導入3日目に回路交換実施。第5病日抗GBM抗体陽性にてGPS確定診断となり4日間連日でPE施行と免疫抑制剤を開始した。第6病日に気管切開術を行い、ヘパリンでの抗凝固開始に伴い血小板の著明な減少からHITを懸念し、ヘパリンからアルガトロバンとナファモスタットメシル酸塩の併用使用に変更し、第12病日HIT抗体陽性の診断となった。同日、病状の改善認めVV-ECMOのON-OFFテスト実施し翌日に離脱。その後、第47病日に自宅退院となった。
【考察】本症例は腎障害の出現がなく、GPSの確定診断まで至らずステロイドパルス療法の効果も得られていない段階で酸素化悪化が急激に進行した。比較的若年ということもあり、bridgeの意味合いでVV-ECMOを導入し、確定診断後にPEや免疫抑制剤の治療を実施でき病状が改善した。肺胞出血があったことやHITにより抗凝固管理に難渋したが、致死的出血性合併症や予期せぬECMO動作不良なく経過することができた。しかし、HITに対して長期管理になった場合のECMO system材料の検討などは今後の課題点である。
【結語】急速に進行した肺胞出血初発型のGPSを発症しVV-ECMO下に治療を行い、救命できた1例を経験した。
【症例】喫煙歴、喘息既往のある34歳女性。数日前より倦怠感、咳嗽、呼吸苦を認め前医受診し呼吸不全にて当院搬送。来院時より低酸素を認め、リザーバーマスク、NHFでは酸素化維持できずAPRVでの挿管人工呼吸管理となった。画像診断、気管支鏡検査より肺胞出血を認め、自己免疫疾患疑いにてステロイドパルス療法を開始。第3病日P/F比48.2(Murray score:3.5)にてVV-ECMO導入(右内頚静脈経由右房脱血23Fr、右大腿静脈送血19Fr)し、人工呼吸器はLung Rest設定とした。遠心ポンプはMixFlow(JMS)、人工肺はBIOCUBE6000(NIPRO)、ヘパリンコーティングのLong回路を使用し、導入3日目に回路交換実施。第5病日抗GBM抗体陽性にてGPS確定診断となり4日間連日でPE施行と免疫抑制剤を開始した。第6病日に気管切開術を行い、ヘパリンでの抗凝固開始に伴い血小板の著明な減少からHITを懸念し、ヘパリンからアルガトロバンとナファモスタットメシル酸塩の併用使用に変更し、第12病日HIT抗体陽性の診断となった。同日、病状の改善認めVV-ECMOのON-OFFテスト実施し翌日に離脱。その後、第47病日に自宅退院となった。
【考察】本症例は腎障害の出現がなく、GPSの確定診断まで至らずステロイドパルス療法の効果も得られていない段階で酸素化悪化が急激に進行した。比較的若年ということもあり、bridgeの意味合いでVV-ECMOを導入し、確定診断後にPEや免疫抑制剤の治療を実施でき病状が改善した。肺胞出血があったことやHITにより抗凝固管理に難渋したが、致死的出血性合併症や予期せぬECMO動作不良なく経過することができた。しかし、HITに対して長期管理になった場合のECMO system材料の検討などは今後の課題点である。
【結語】急速に進行した肺胞出血初発型のGPSを発症しVV-ECMO下に治療を行い、救命できた1例を経験した。