[O157-6] 当院における肺移植術開始後の現況
当院は2014年に肺移植認定施設となり、2015年4月に1例目の肺移植を実施。その後も症例数・待機症例共に増加している。2018年9月時点で計17例(年齢 44±11.2歳、男6:女11)に対して肺移植術が施行された。原疾患としては間質性肺炎(7例)が最も多く、次いで肺高血圧症(3例)とリンパ脈管腺筋症(3例)であった。施行術式は両側生体肺葉移植術3例、脳死両側肺移植術6例、脳死片肺移植術8例であり、移植肺機能不全による死亡症例を1例経験したが、その他の症例は全例ICUを生存退出し(生存例のICU滞在期間中央値 37[15-46]日)、12例が軽快退院となっている。当院ではsemi-closed ICUの形態をとっており呼吸器外科と共に集中治療部が術後管理に携わっている。肺移植術後管理においてはチーム診療が肝要と考え、呼吸器外科に加えて看護師、理学療法士と1日2回のカンファランスを行いながら情報を共有している。肺移植術開始当初、我々は他の臓器移植手術の術後管理の経験はあるものの肺移植術の術後患者を管理した経験はなく、呼吸器外科とプロトコールを共有するなど、肺移植医療の立ち上げに関与した。