[O158-5] ECPR症例における予後関連因子についての検討
【背景と目的】ECMOは救急医療において有効な補助循環手段である。今回我々は過去12年間でECPR適応でV-A ECMOを導入した症例を対象に、短期生存に関与する因子について検討した。【方法】対象となった66例について、生存(7日以上)に影響を与えると考えられる因子(表に示す)についてspearmanの相関検定を用いた単変量解析とロジスティック解析を用いた多変量解析を行った。有意水準をp<0.05とした。【結果】66症例中、生存(7日以上)は14例(21%)であった。生存群及び死亡群における各因子の解析結果は表に示す。生存に影響すると思われる因子について、IABP 使用の有無(p=0.08)、覚知から ROSC ま での時間(p=0.012)、穿刺から導入までの時間(p=0.013)、穿刺場所(p=0.63)、 穿刺施行場所(p=0.3)であった。多変量解析では、IABP 使用の有無【5.06(1.32- 19.4) p=0.018】、覚知から ROSC までの時間【0.017(0.001-0.439)p=0.014】、穿刺 から導入までの時間【0.056(0.007-0.463)p=0.007】で統計学的有意差を認めた。 穿刺部位(p=0.74)、穿刺施行場所(p=0.64)では統計学的有意差は認めなかった。 ※多変量解析結果は、【オッズ比(95% 信頼区間)p 値】で示す。【結論】V-A ECMO症例に対する解析で生存に関連する因子を同定できた。心肺停止患者のECPRにおいて、迅速にECMOを導入し、ROSCを得る事が重要であると考えられた。