[O21-6] 当院におけるカテーテル関連血流感染症(CRBSI)-現状と意識付け-
【背景】当院では、感染症対策チーム(ICT;Infection control team)が厚生労働省院感染対策サーベイランス(JANIS)の判定基準に基づき、中心静脈カテーテル留置症例において血液培養陽性であった場合に各症例に対してフィードバックを行っているが、臨床的敗血症(CSEP; Clinical sepsis)の発生状況や治療については不明である。そこで当院における中心静脈カテーテル留置症例の現状を調査し、適切な管理について考察した。
【目的】当院におけるカテーテル関連血流感染症の現状を把握し、より適切な管理を行う。
【方法】2017年1月から3月に中心静脈カテーテル留置が実施された60例について、カテーテル留置部位、留置期間、カテーテルの種類、留置後38℃以上の発熱の有無と発熱までの日数、血液培養の有無、血液培養検出菌種、CRBSIの診断の有無、転帰を調査し解析した。
【結果】カテーテル留置部位は内頚静脈19例、大腿静脈24例、鎖骨下静脈3例、上腕静脈15例であった。カテーテル留置期間は予想より長く16.39±16.27日だった。カテーテル留置症例で発熱がみられたのは34例、56.7%で、発熱までの日数は5.86±3.93日であった。カテーテル留置部位による発熱発生率に有意差はみられなかった。カテーテル留置後に発熱がみられた際にCRBSIを疑った行動(血液培養検査実施、カテーテル抜去等)をとったのは14例と少なく、実際に有意菌が検出されたのは11例で、CRBSIの診断となったのは7例であった。しかし菌血症であり臨床的敗血症の診断基準に合致するにも関わらず、CRBSIの診断に至らなかった症例も2例存在した。この2例の転帰はいずれも死亡であった。カテーテル留置後の管理方法(ドレッシングやモニタリング方法)も様々であった。
【結論】カテーテル関連血流感染症の適切な管理を行うために、中心静脈カテーテル留置の際の標準的管理を徹底し、早期発見・早期介入のシステムの確立が必要と考えられた。
【目的】当院におけるカテーテル関連血流感染症の現状を把握し、より適切な管理を行う。
【方法】2017年1月から3月に中心静脈カテーテル留置が実施された60例について、カテーテル留置部位、留置期間、カテーテルの種類、留置後38℃以上の発熱の有無と発熱までの日数、血液培養の有無、血液培養検出菌種、CRBSIの診断の有無、転帰を調査し解析した。
【結果】カテーテル留置部位は内頚静脈19例、大腿静脈24例、鎖骨下静脈3例、上腕静脈15例であった。カテーテル留置期間は予想より長く16.39±16.27日だった。カテーテル留置症例で発熱がみられたのは34例、56.7%で、発熱までの日数は5.86±3.93日であった。カテーテル留置部位による発熱発生率に有意差はみられなかった。カテーテル留置後に発熱がみられた際にCRBSIを疑った行動(血液培養検査実施、カテーテル抜去等)をとったのは14例と少なく、実際に有意菌が検出されたのは11例で、CRBSIの診断となったのは7例であった。しかし菌血症であり臨床的敗血症の診断基準に合致するにも関わらず、CRBSIの診断に至らなかった症例も2例存在した。この2例の転帰はいずれも死亡であった。カテーテル留置後の管理方法(ドレッシングやモニタリング方法)も様々であった。
【結論】カテーテル関連血流感染症の適切な管理を行うために、中心静脈カテーテル留置の際の標準的管理を徹底し、早期発見・早期介入のシステムの確立が必要と考えられた。