[O22-3] 敗血症性ショックとNETsとの関連性の探求
【背景】 敗血症性ではバンドル治療をはじめとした多職種による集学的治療の重要性が言われているが、ショックの状態に陥ると未だ死亡率は高く、その病態の究明が急がれている。
近年、Neutrophil extracellular traps(NETs)が早期より敗血症の防御反応のひとつとして感染の局在化として機能するが、過剰なその防御機構の為に血管内皮の損傷が指摘されており、それこそが敗血症性ショックの病態の主要な原因の可能性が指摘されている。
【目的】 敗血症の病態とNETsとの関連性を探る。
【方法】 培養した肺動脈内皮細胞シート上にNETsを誘導した好中球を加え、ELISAを用いてアルブミン透過性を観察し、血管透過性を定量化した。さらに共焦点レーザー顕微鏡で内皮細胞の形態的変化を評価し、NETs阻害薬を加えた後との変化も比較検討した。
次に敗血症性ショック患者の血液より採取した検体より、cf(cell free)-DNA値とMPO(myeloperoxidase)-DNA値をELISAで経時的に測定し、それらとmBP、P/F ratio、SOFA score、mortality等との相関関係を診療記から後方視的に検討した。
【結果】 NETsの存在下において、内皮細胞の透過性の亢進を定量的、形態的に観察した。またMPO-DNA値と臨床的スコアとの間に有意な相関関係を認めたが、cf-DNA値で検討すると相関関係は認められなかった。
【考察・結論】 敗血症性ショックの病態において、NETsとの直接的な因果関係を分析した。臨床においては予後予測のための重要なツールに成り得ると考えられた。以上の内容について、文献の考察も交え、当科で予定している今後の研究予定、展望について述べる予定である。
近年、Neutrophil extracellular traps(NETs)が早期より敗血症の防御反応のひとつとして感染の局在化として機能するが、過剰なその防御機構の為に血管内皮の損傷が指摘されており、それこそが敗血症性ショックの病態の主要な原因の可能性が指摘されている。
【目的】 敗血症の病態とNETsとの関連性を探る。
【方法】 培養した肺動脈内皮細胞シート上にNETsを誘導した好中球を加え、ELISAを用いてアルブミン透過性を観察し、血管透過性を定量化した。さらに共焦点レーザー顕微鏡で内皮細胞の形態的変化を評価し、NETs阻害薬を加えた後との変化も比較検討した。
次に敗血症性ショック患者の血液より採取した検体より、cf(cell free)-DNA値とMPO(myeloperoxidase)-DNA値をELISAで経時的に測定し、それらとmBP、P/F ratio、SOFA score、mortality等との相関関係を診療記から後方視的に検討した。
【結果】 NETsの存在下において、内皮細胞の透過性の亢進を定量的、形態的に観察した。またMPO-DNA値と臨床的スコアとの間に有意な相関関係を認めたが、cf-DNA値で検討すると相関関係は認められなかった。
【考察・結論】 敗血症性ショックの病態において、NETsとの直接的な因果関係を分析した。臨床においては予後予測のための重要なツールに成り得ると考えられた。以上の内容について、文献の考察も交え、当科で予定している今後の研究予定、展望について述べる予定である。