第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

コンピュータ

[O51] 一般演題・口演51
コンピュータ

Fri. Mar 1, 2019 5:50 PM - 6:40 PM 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:高木 俊介(公立大学法人横浜市立大学附属病院集中治療部)

[O51-3] ICUデータベースの構築とQuality Indicatorの測定

田本 光拡1, 伊帳田 峻佑1, 志賀 雄介1, 藤澤 誠1, 谷口 陽平2, 甲斐 慎一3 (1.京都大学医学部附属病院 集中治療部, 2.京都大学医学部附属病院, 3.京都大学医学部附属病院 麻酔科)

【背景】本院ICUでは2018年度より、医療・看護の質改善を目的にQuality Indicator(以下、QI)委員会を発足し、活動をしている。そこでPDSAサイクルを実行していくために、QIを測定し、データ入力する必要性が出てきた。しかしこれらデータの多くは、電子カルテに記録されているにもかかわらず、データベースに再度入力を行うため、業務が重複してしまい、非効率であるうえ、データ入力者の負担になるということが問題となった。【臨床経過】背景で述べた問題を解決するため、医療情報部と協力しFilemakerを用いたICUデータベースを作成した。本院のFilemakerは電子カルテネットワーク上で動作し、電子カルテとオープン・データベース・コネクテイビティ接続で連携している。その結果、セキュリティを担保したままデータ抽出が可能である。このシステムを利用したことで、ICUデータベースに患者情報や採血データ、診療・看護記録などが自動もしくは数クリックで、データ入力ができるようになった。さらにFilemakerで診療・看護記録テンプレートを作成すれば、電子カルテへの記録とデータベースへのデータ入力が同時に行えるようになる。そこでリハビリテーションテンプレートを作成し、人工呼吸器装着期間や、初回端座位・立位までの期間などを毎月算出し、グラフ化しPDSAサイクルにつなげている。課題として重症患者システムとICUデータベースの連携はできていないため、人工呼吸器の設定などはデータ入力する必要がある。今後、Filemakerでのテンプレートを活用し、データ入力の負担削減と、効率的なICUデータベースを構築していき、QIの測定や他職種との連携・情報共有などにも活用していきたい。また、院内ICTと協力して調査しているCRBSIやVAEサーベイランスでも、ICUデータベースを活用しており、感染症リスク因子なども検討していく方針である。そして、PDSAサイクルを病棟スタッフや多職種とともに考え、質改善につなげていきたい。【結語】QIを測定することは臨床的な意義はあるものの、データ入力は非効率的で入力者の負担やミスなどが起こることが多い。本院の電子カルテとFilemakerが連携したことで、データ入力の負担やミスが軽減でき、省力化により医療・看護の質改善に注力できるようになった。今後、より効率的なデータベースの構築とQI測定を継続し、医療・看護の質改善につなげていきたい。