第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

コンピュータ

[O51] 一般演題・口演51
コンピュータ

Fri. Mar 1, 2019 5:50 PM - 6:40 PM 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:高木 俊介(公立大学法人横浜市立大学附属病院集中治療部)

[O51-2] 人工呼吸器からのweaning視覚化ソフトの開発

財津 昭憲1, 爲廣 一仁1, 浜本 亜希2, 竹内 正志2 (1.社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 集中治療科, 2.社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 臨床工学室)

【背景】7年前に看護記録の電子カルテ化の波がICU部門にも押し寄せてきた。そこで看護記録データを二次利用してリアルタイムに集中治療に役立つMedical Expert System(MES)ソフトの開発をすることにした。月1回の割合でICU系の看護師と医師が集まり、Excelで入力項目・方法・計算式とグラフ描画などの基本ソフトを作成し、プログラマーがそれを基に電子カルテ化した。その第1弾として血液ガス測定時にAPACHE-2とSOFA用のデータを集め、予測死亡率のグラフ化をさせた。この明視化は主治医への現治療法の良否判定と終末期医療への切り換え時期の決断や家族へのinformed consentに役立った。このソフトの導入で過剰輸液が減り、人工呼吸器装着率が2割以下へと激減したが、深鎮静に伴う過剰輸液が散見されている。直近の3年間の人工呼吸患者は509名で、平均挿管日数は6日であった。抜管後24時間以内の再挿管例は14名(2.75%)であった。その原因は上気道閉塞6名、喀痰喀出困難5名、Flail chest1名、失調性呼吸1名、頻呼吸1名であった。そこで第2弾に人工呼吸器からのweaningの視覚化ソフトの開発が望まれた。
【目的】Open ICUの患者治療に全権を握る各科主治医が理解でき、更なる挿管日数の短縮化と再挿管率の低下が図かれるweaning視覚化グラフを自動描画ソフトの開発。
【方法】血液ガス測定時に酸素化効率の指標(P/F ratio、M index=肺胞気酸素分圧/動脈血酸素分圧)、換気効率の指標(V index=分時換気量/有効肺胞換気量=PaCO2*MV/BW/4)、全肺の呼吸効率指標(TRI=1/(M*V)、M*V)、過剰水分増加量(入室時からの積算水分出納量、実測体重の変化)、鎮静度(RASS)と使用薬剤(鎮静剤、鎮痛剤、静脈麻酔剤、筋弛緩剤)の有無、咳反射の有無を経時的グラフ化する。
【結果と考察】Excelでの基本ソフトのデータが集まり、概略が掴めつつある。COPDや肺塞栓の換気効率の悪い患者(V index>2.0)は酸素化効率が良くなりTRI>0.5またはM*V<2になればWeaning可能である。TRI<0.25またはM*V>4の場合は早期気管切開術と呼吸補助が必要だ。このソフトが稼働して、もう少し過鎮静に気配りするようになれば、挿管日数の短縮化と再挿管率の減少は図れるだろう。
【結論】Weaningの可視化ソフトは臨床に役立つ。