[O52-4] PICUにおける早期離床・リハビリテーションの取り組み
【背景】平成30年度の診療報酬改定においてICUにおける多職種による早期離床・リハビリテーション(早期リハ)の取り組みに係る評価が新設された。これを受けて、当院でも医師、看護師、理学療法士による早期リハに係る多職種チームを結成し、早期リハを開始した。【目的】PICUにおける早期リハの現状と今後の問題点を明らかにすること。【方法】平成30年4月から8月までに、PICUに入室し早期リハを受けた患者を対象とし、患者背景、介入方法、効果、問題点を検討した。【結果】早期リハを受けた患者は105名であり、担当診療科は、外科系が心臓血管外科35名、脳神経外科22名、小児外科20名、耳鼻咽喉科5名、整形外科3名、内科系が神経科9名、循環器内科7名、総合診療科4名であった。年齢内訳は、新生児が17名、生後1ヵ月~1歳未満が25名、1~14歳が52名、15歳以上が11名であった。人工呼吸器の管理は57名(54%)であった。入室目的は院内からの入室では術後管理が72名、一般病棟で管理が困難な重症例が12名、院外からの入室では当院外来からの直接入院が3名、他院からの転院搬送が18名であった。PICU滞在期間は中央値3日(1~25日)で死亡例は3名であった。介入の内容は、体位管理、関節可動域訓練、肺理学療法などが中心であり、早期リハに伴う有害事象はなかった。【考察】PICUに入室したほぼ全ての患者に介入し、安全に早期リハが実施できた。当院PICUでは、疾患が多岐に渡る、術後管理の患者が多い、PICU滞在期間が短いということが特徴で、早期リハ介入前後の効果判定は難しかった。しかし、せん妄の早期発見、シーネ固定後の関節拘縮への早期介入、PICU退室後のリハの継続など、個々の症例ではある一定の効果は得られた。今後、症例を蓄積し体系的な介入と評価が必要と考えられた。