第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

新生児・小児 研究

[O52] 一般演題・口演52
新生児・小児 研究01

Fri. Mar 1, 2019 9:00 AM - 9:40 AM 第13会場 (国立京都国際会館1F Room F)

座長:清水 淳次(滋賀医科大学医学部附属病院救急・集中治療部)

[O52-5] HCUからPICUに転棟する患者の特徴について

木村 翔, 谷 昌憲, 宮本 大輔, 林 拓也, 植田 育也 (埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センター)

【背景】当院の集中治療部門では,気道・呼吸・循環・意識の状態に異常のある患者は小児集中治療室 (以下,PICU) へ入室し,上記の異常の懸念があるもしくは重点的なモニタリングや看護ケアが必要な患者は準集中治療室 (以下,HCU) に入室している.HCUでは一般病棟での管理が困難な,比較的重篤な患者を受け入れ,医師が常駐し,4対1の看護体制をとっており,全20床を有する.本邦の小児専用HCUの運用状況の報告は過去になく, HCUからPICUに転棟となった患者の特徴も知られていない.【目的】当院における,HCUからPICUへ転棟した患者の特徴を明らかにすること.【方法】2017年1月1日から12月31日までの12ヶ月間に,HCUからPICUに転棟した16歳未満の患者を,診療録を後方視的に検討した.【結果】HCU入室患者は1215例,PICU入室患者は598例であった.HCU入室患者1215例の内4%にあたる52例がHCUからPICUに転棟した.転棟52例中32例(62%)が急変によるもので,死亡は3例(5.8%)だった.Pediatric index of mortality2 (PIM2) による予測死亡率の中央値は,HCU入室時は0.9%であったが,PICU転棟時は2.3%と上昇していた(p=0.02).PICU転棟前のHCU滞在日数は2時間~83日(中央値 1日)だった.PICU転棟理由としては呼吸管理が17例(33%),術後管理11例(21%),循環管理が9例(17%)だった.急変32例に絞ると,うち16例(50%)が呼吸管理目的だった.PICUで要した侵襲的治療としては,気管挿管が26例(50%),気管切開児を含めた人工呼吸管理が34例(65%),動脈ラインが32例(62%),中心静脈が25例(48%),ECMOが3例(5.8%),腎代替療法が2例(3.8%)だった. 【結論】当院HCUでは入室患者の4%がPICUに転棟した.転棟の約6割は,さらなる侵襲的治療を要するためPICUに転棟していた.予定外転棟が6割いて,その半数は呼吸管理を目的とした転棟だった.