[O64-2] 救急ICUに入室し48時間以内にリハビリテーションを開始した患者の離床とADLの現状
【目的】
集中治療領域の患者は,人工呼吸器など多様なデバイスがあり,また鎮痛鎮静が行われ日常生活活動を維持することが難しく運動・認知・精神機能の低下が問題となる.予防対策として,早期リハビリテーション(以下リハ)を行うことでADLやQOLの回復が良好となりICU在室・在院日数を軽減する効果がある.日本集中治療医学会が作成したエキスパートコンセンサスでは,早期リハとは48時間以内に開始される各種機能の維持,改善,再獲得を支援する一連の手段と定義されている.今回,当院ICUに入室した患者に対して,早期リハ開始の有無が離床状況や退院時のADLに与える影響について検討を行なった.
【方法】
2014年1月から2018年7月の間にICUへ入室した1023例,男性633例,平均年齢68歳である.入院からPT開始を48時間前後で,早期リハ群とリハ遅延群の2群に分けた.検討項目は,リハ開始が遅延となった理由,年齢,性別,BMI,ISS,APACHE2,GCS,MV使用率,入院からPT開始日,PT開始から端座位~歩行開始日と施行率,歩行自立日と自立率,せん妄発症率,入院からICU退出日,在院日数,自宅退院率,ADLの指標として開始/終了時FIMとした.主要アウトカムは,歩行自立日と自立率,退院時FIMとした.データは,中央値(四分位範囲)で示し,Mann-Whitney検定を使用し統計危険率5%を有意水準とした.
【成績】
遅延理由は,手術・処置に関連するものが多かった.群間比較の結果,ISS,APACHE2,MV使用率,歩行開始日,歩行自立率,ICU退出日,在院日数,せん妄発症率,開始/終了時FIMで有意差を認めた(p<0.01).歩行開始日以外の離床に関する項目では有意差を認めなかった.
【結論】
先行研究では,早期リハ開始が可能であれば良好なアウトカムとなる報告が多く,早期リハ開始が歩行自立や退院時のADLの改善に寄与することが示唆された.
集中治療領域の患者は,人工呼吸器など多様なデバイスがあり,また鎮痛鎮静が行われ日常生活活動を維持することが難しく運動・認知・精神機能の低下が問題となる.予防対策として,早期リハビリテーション(以下リハ)を行うことでADLやQOLの回復が良好となりICU在室・在院日数を軽減する効果がある.日本集中治療医学会が作成したエキスパートコンセンサスでは,早期リハとは48時間以内に開始される各種機能の維持,改善,再獲得を支援する一連の手段と定義されている.今回,当院ICUに入室した患者に対して,早期リハ開始の有無が離床状況や退院時のADLに与える影響について検討を行なった.
【方法】
2014年1月から2018年7月の間にICUへ入室した1023例,男性633例,平均年齢68歳である.入院からPT開始を48時間前後で,早期リハ群とリハ遅延群の2群に分けた.検討項目は,リハ開始が遅延となった理由,年齢,性別,BMI,ISS,APACHE2,GCS,MV使用率,入院からPT開始日,PT開始から端座位~歩行開始日と施行率,歩行自立日と自立率,せん妄発症率,入院からICU退出日,在院日数,自宅退院率,ADLの指標として開始/終了時FIMとした.主要アウトカムは,歩行自立日と自立率,退院時FIMとした.データは,中央値(四分位範囲)で示し,Mann-Whitney検定を使用し統計危険率5%を有意水準とした.
【成績】
遅延理由は,手術・処置に関連するものが多かった.群間比較の結果,ISS,APACHE2,MV使用率,歩行開始日,歩行自立率,ICU退出日,在院日数,せん妄発症率,開始/終了時FIMで有意差を認めた(p<0.01).歩行開始日以外の離床に関する項目では有意差を認めなかった.
【結論】
先行研究では,早期リハ開始が可能であれば良好なアウトカムとなる報告が多く,早期リハ開始が歩行自立や退院時のADLの改善に寄与することが示唆された.