[O71-6] 【優秀演題(口演)】幼児期の心臓術後症例に対する早期リハビリテーションが有効であった一症例
【背景】成人期の開胸開心術後早期リハビリテーション(以下、心リハ)の有効性は報告されているが、幼児期における術後早期心リハ介入に関する報告は少ない。
【目的】今回、三尖弁閉鎖症1b型によりFontan手術が施行された2歳男児に対する術後早期心リハの有効性について検討すること。
【症例】症例は、生後2カ月時に体肺動脈短絡術、生後5ヶ月時に両側両方向性グレン手術を経て、今回2歳3カ月でFontan手術を施行された男児。術前評価では、安静時HR120回/分、経鼻酸素0.5L/分でSpO285%、胸部レントゲンではCTR47.5%、血液検査ではBNP7.5pg/ml、心臓カテーテル検査にて平均肺動脈圧9mmHg、肺血管抵抗1.0Wood×m2、PA index143mm2/m2、LVEDV223%ofN、EF78%であった。運動面・心理面の発達は正常範囲内で小走り可能であったが、10m歩行ではSpO270%、HR165回/分となり、普段から座って遊ぶことが多く、あまり歩きたがらないとの訴えが母親より聞かれた。術後心リハはFontan手術後2時間より開始した。術後4時間で人工呼吸器を離脱した。術後翌日に経鼻酸素1L/分で立位負荷を実施できた。術後2日目には介助下にて50m歩行を達成し、自然排便があった。術後3日目には胸腔ドレーンが抜去でき、手押し車で100m歩行を達成した。術後8日目より経鼻酸素0.5L/分で独歩にて100m、術後9日目には独歩300mを達成し、術後10日目に退院した。外来にて術後16日目に6分間歩行にて経鼻酸素0.5L/分で歩行時最高HR150回/分、歩行時最低SpO293%で250m歩行を達成した。10cmの階段昇降でもHR、SpO2は安静時と変わりなかった。
【考察】Fontan手術後の循環動態は、静脈還流が低下するため低心拍出量となる。それによって胸水貯留は遷延し、術後の入院期間が長くなることが問題とされている。本症例においては、術後超早期の心リハ実施による離床を実施できたことで呼吸、循環、自然排便など生理的機能の回復を速やかにし、ドレーンの早期抜去につながったと考えられた。
【結語】ICU管理下で幼児期の心リハを早期かつ安全に行うことができた。また、幼児期のFontan術後心リハが生理的機能の回復に寄与することが示唆された。
【目的】今回、三尖弁閉鎖症1b型によりFontan手術が施行された2歳男児に対する術後早期心リハの有効性について検討すること。
【症例】症例は、生後2カ月時に体肺動脈短絡術、生後5ヶ月時に両側両方向性グレン手術を経て、今回2歳3カ月でFontan手術を施行された男児。術前評価では、安静時HR120回/分、経鼻酸素0.5L/分でSpO285%、胸部レントゲンではCTR47.5%、血液検査ではBNP7.5pg/ml、心臓カテーテル検査にて平均肺動脈圧9mmHg、肺血管抵抗1.0Wood×m2、PA index143mm2/m2、LVEDV223%ofN、EF78%であった。運動面・心理面の発達は正常範囲内で小走り可能であったが、10m歩行ではSpO270%、HR165回/分となり、普段から座って遊ぶことが多く、あまり歩きたがらないとの訴えが母親より聞かれた。術後心リハはFontan手術後2時間より開始した。術後4時間で人工呼吸器を離脱した。術後翌日に経鼻酸素1L/分で立位負荷を実施できた。術後2日目には介助下にて50m歩行を達成し、自然排便があった。術後3日目には胸腔ドレーンが抜去でき、手押し車で100m歩行を達成した。術後8日目より経鼻酸素0.5L/分で独歩にて100m、術後9日目には独歩300mを達成し、術後10日目に退院した。外来にて術後16日目に6分間歩行にて経鼻酸素0.5L/分で歩行時最高HR150回/分、歩行時最低SpO293%で250m歩行を達成した。10cmの階段昇降でもHR、SpO2は安静時と変わりなかった。
【考察】Fontan手術後の循環動態は、静脈還流が低下するため低心拍出量となる。それによって胸水貯留は遷延し、術後の入院期間が長くなることが問題とされている。本症例においては、術後超早期の心リハ実施による離床を実施できたことで呼吸、循環、自然排便など生理的機能の回復を速やかにし、ドレーンの早期抜去につながったと考えられた。
【結語】ICU管理下で幼児期の心リハを早期かつ安全に行うことができた。また、幼児期のFontan術後心リハが生理的機能の回復に寄与することが示唆された。