第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

栄養

[O73] 一般演題・口演73
栄養02

2019年3月2日(土) 09:35 〜 10:25 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:槇田 徹次(佐世保市総合医療センター)

[O73-6] 重症小児における超音波ガイド下経腸栄養チューブ挿入

大澤 一郎, 壷井 伯彦, 井手 健太郎, 西村 奈穂, 中川 聡 (国立成育医療研究センター 集中治療科)

【背景】重症小児では消化管機能の維持やbacterial translocationを防ぐために経腸栄養が推奨され、経胃管栄養で収まりが悪い場合には経腸栄養チューブ(ED)が挿入される。小児においてED挿入は透視下で行うのが一般的だが、重症小児では移動が難しくベッドサイドで行うことが多い。ベッドサイドでのED挿入の成功率を上げる方法として、メトクロプラミドやエリスロマイシン投与、ガス注入、pH-guided、spiral tubeの使用、electromagnetic guidanceなどが報告されているが、確実な方法は確立していない。【目的】重症小児に対する超音波ガイド下ED挿入の成功率を調査すること。【対象】2018年4月から9月までに国立成育医療研究センターPICUに入室して超音波ガイド下にEDを挿入した症例。【方法】超音波を用いてED挿入を行った症例の成功率を、電子診療録を用いて後方視的に検討した。EDの挿入方法は1. 胃管で胃内を脱気した後、超音波で幽門部を描出する(描出できない場合は胃内に蒸留水を注入する)。2. 超音波で幽門部を描出しながらEDを挿入し、EDの通過を確認する。3. 超音波で十二指腸水平脚を描出し、EDの通過を確認する。4. X線撮影でED先端位置を確認する。EDの先端を十二指腸下降脚以降に留置できた場合を成功とした。【結果】10例(月齢中央値6.5(四分位1.5-10))に対して超音波ガイド下にEDを挿入し、10例でED先端を十二指腸に留置できた(成功率100%)。【結論】重症小児において超音波ガイド下ED挿入の成功率は高かった。