第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

呼吸 臨床研究

[O8] 一般演題・口演8
呼吸 臨床研究

Fri. Mar 1, 2019 10:00 AM - 10:50 AM 第7会場 (国立京都国際会館1F Room E)

座長:西澤 英雄(横浜労災病院 中央集中治療部)

[O8-5] PAVやNAVAはPSVと比較し優れたモードか:系統的レビュー・メタ解析

片岡 惇1, 栗山 明2, 則末 泰博1, 藤谷 茂樹3 (1.東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門, 2.倉敷中央病院 救急科, 3.聖マリアンナ医科大学 救急医学)

【目的】Proportional assist ventilation (PAV)やNeurally adjusted ventilatory assist (NAVA)は、患者の吸気努力に応じたサポートを行うことができ、proportional modesと総称される。これらのモードは、患者-人工呼吸器間の同調性を改善し、結果として人工呼吸器からの離脱に適したモードである可能性がある。本系統的レビューでは、PAVやNAVAがPSVと比較して、患者-人工呼吸器間の同調性に優れ、呼吸器離脱や人工呼吸器期間に影響を与えうるかを検証した。【方法】PubMed、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trialsから、PAVやNAVAとPSVを、患者-人工呼吸器間の同調性、人工呼吸器離脱に関して比較している研究を選択した。主要アウトカムとして、asynchrony index (AI)、ウィーニング失敗、人工呼吸器期間について評価した。【結果】657名の患者を対象とした14件の研究を選択した。メタ解析の結果、PAVやNAVAの使用は、PSVと比較し、有意にAIを改善し(WMD, -2.87; 95% CI, -5.25 to -0.50; p= 0.018; df= 6; I2= 84.7%)、AI>10%の同調性不良な患者を減らした(RR, 0.15; 95% CI, 0.04 to 0.58; p= 0.006; df= 6; I2= 61.2%)。また、PAVやNAVAの使用は、PSVと比較し、ウィーニング失敗の減少 (RR, 0.44; 95% CI, 0.26 to 0.75; p= 0.003; df= 2; I2= 0.0%)、および人工呼吸器期間短縮(WMD, -1.78 days; 95% CI, -3.24 to -0.32; p= 0.017; df= 4; I2= 32.5%)、との関連が認められた。【結論】本メタ解析の結果、PAVやNAVAの使用は、PSVと比較し、患者-人工呼吸器間の同調性を改善し、ウィーニング失敗や人工呼吸器期間短縮との関連があった。この結果は、PAVやNAVAが人工呼吸器からの離脱に適したモードである可能性を示唆するものである。