[O8-6] 挿管期間の長い患者では抜管後のハイフローネーザルカヌラのメリットは低い可能性がある
【背景】近年、新たな酸素療法としてハイフローネーザルカヌラ(以下HFNC)が広く使用されている。HFNCは軽度気道陽圧により抜管後の無気肺を予防し、酸素化能を改善させる可能性が期待されている。しかし抜管後の使用に関する従来の研究は術後患者や抜管低リスク群の患者を対象としたものが多く、長期間の人工呼吸器管理を要した患者に対する有効性は十分に評価されていない。
【目的】挿管期間の長い患者において、HFNCを使用した酸素療法が従来酸素療法よりも抜管後の酸素化能を改善させることが出来るか評価する。
【方法】本研究はHFNCとネブライザー付酸素吸入器の単施設ランダム化比較試験の事後二次解析である。抜管後の酸素療法として、いずれかのデバイスが1:1でランダムに割り付けされた。患者選択基準は1) 18歳以上、2) 24時間以上の人工呼吸器管理、3) 抜管前のPaO2/FIO2比<300であった。本研究の主要評価項目は抜管24時間後のPaO2/設定FIO2比とし、挿管期間の短い群(6日以内)および挿管期間の長い群(7日以上)それぞれで比較した。
【結果】挿管期間の短い群45名(HFNC:ネブライザー付酸素吸入器=22:23)、長い群16名(HFNC:ネブライザー付酸素吸入器=8:16)が対象となった。挿管期間の短い群では、HFNCはネブライザー付酸素吸入器に比べ抜管24時間後のPaO2/設定FIO2比は有意に高かったが(290±105 mmHg vs 226±58 mmHg; p=0.03)、挿管期間が長い群では有意差は認めなかった(194±69 mmHg vs 221±47 mmHg; p=0.31)。また、プロトコール治療の失敗(48時間以内の再挿管+NPPVまたはネブライザー付酸素吸入器群でのHFNCへの変更)はいずれの群でも有意差はみられなかったが、挿管期間の短い群ではHFNCに有利な傾向があった(挿管期間の短い群 5% vs 22%, p=0.19)(挿管期間の長い群 13% vs 25%, p=0.68)。
【結論】挿管期間の長い患者では、HFNCの使用は従来酸素療法(ネブライザー付酸素吸入器)と比べ抜管24時間後の酸素化能を改善させなかった。
【目的】挿管期間の長い患者において、HFNCを使用した酸素療法が従来酸素療法よりも抜管後の酸素化能を改善させることが出来るか評価する。
【方法】本研究はHFNCとネブライザー付酸素吸入器の単施設ランダム化比較試験の事後二次解析である。抜管後の酸素療法として、いずれかのデバイスが1:1でランダムに割り付けされた。患者選択基準は1) 18歳以上、2) 24時間以上の人工呼吸器管理、3) 抜管前のPaO2/FIO2比<300であった。本研究の主要評価項目は抜管24時間後のPaO2/設定FIO2比とし、挿管期間の短い群(6日以内)および挿管期間の長い群(7日以上)それぞれで比較した。
【結果】挿管期間の短い群45名(HFNC:ネブライザー付酸素吸入器=22:23)、長い群16名(HFNC:ネブライザー付酸素吸入器=8:16)が対象となった。挿管期間の短い群では、HFNCはネブライザー付酸素吸入器に比べ抜管24時間後のPaO2/設定FIO2比は有意に高かったが(290±105 mmHg vs 226±58 mmHg; p=0.03)、挿管期間が長い群では有意差は認めなかった(194±69 mmHg vs 221±47 mmHg; p=0.31)。また、プロトコール治療の失敗(48時間以内の再挿管+NPPVまたはネブライザー付酸素吸入器群でのHFNCへの変更)はいずれの群でも有意差はみられなかったが、挿管期間の短い群ではHFNCに有利な傾向があった(挿管期間の短い群 5% vs 22%, p=0.19)(挿管期間の長い群 13% vs 25%, p=0.68)。
【結論】挿管期間の長い患者では、HFNCの使用は従来酸素療法(ネブライザー付酸素吸入器)と比べ抜管24時間後の酸素化能を改善させなかった。