[O83-3] High Flow Nasal Cannulaの横隔膜機能に対する効果
【背景】急性呼吸不全患者では呼吸仕事量の増大から、しばしば横隔膜機能不全を発症する。High Flow Nasal Cannula: HFNCは、死腔の洗い出し効果や鼻咽頭抵抗の減弱により呼吸仕事量を軽減するが、HFNCが横隔膜機能に与える影響は不明である。本研究では、超音波を用いてHFNC離脱前後の横隔膜機能を評価した。
【方法】当院ICUに入室し、HFNCを装着した成人患者を対象とした。HFNC離脱前と離脱30分後に超音波を用いて横隔膜機能を評価した。離脱前のHFNCの設定は流量30 L/分、FIO2 0.3以下とした。横隔膜機能評価は、吸気時から呼気時への横隔膜厚の変化(Thickening Fraction: TF: 正常値 20-25%)および横隔膜の移動距離(Diaphragm Excursion: DE: 正常値 1cm以上)とした。測定部位は、TFは右中腋窩線上の肋骨横隔膜角下約2 cmとした。同部位からプローブをあて肋間から横隔膜を観察しその厚みを計測した。TF={(吸気時の横隔膜の厚み‐呼気時の横隔膜の厚み)/呼気時の横隔膜の厚み}とした。DEは右季肋部鎖骨中線上からMモードで測定した。各測定値は、測定者2人が3回測定し、その平均値を用いた。またHFNC離脱前後の呼吸数、SpO2も記録した。
【結果】対象患者は12例(男性6例、女性6例)、平均年齢は65歳、APACHEIIスコアの中央値は17 、HFNC装着日数の中央値は2日だった。HFNC離脱前後のTFとDEに有意差はなかった {中央値(第1-第3四分位、以下同様)}{TF: 1.3(1.0-1.8) vs. 6.6(‐6.5-19.3)% ,p =.27}、{DE: 1.36(0.92-1.79) vs. 1.6(1.32-2.20)cm ,p = .10}。離脱前後の呼吸数(19 vs. 20回/分 ,p = .95)、SpO2(96 vs. 96% ,p = .87)に有意差はなかった。
【結論】HFNCの離脱前後で横隔膜機能に変化はなかった。ただし、本研究はHFNCの流量設定が低く、症例数が少ないことも影響した可能性がある。今後HFNCが横隔膜機能に与える影響についてさらなる検討が必要である。
【方法】当院ICUに入室し、HFNCを装着した成人患者を対象とした。HFNC離脱前と離脱30分後に超音波を用いて横隔膜機能を評価した。離脱前のHFNCの設定は流量30 L/分、FIO2 0.3以下とした。横隔膜機能評価は、吸気時から呼気時への横隔膜厚の変化(Thickening Fraction: TF: 正常値 20-25%)および横隔膜の移動距離(Diaphragm Excursion: DE: 正常値 1cm以上)とした。測定部位は、TFは右中腋窩線上の肋骨横隔膜角下約2 cmとした。同部位からプローブをあて肋間から横隔膜を観察しその厚みを計測した。TF={(吸気時の横隔膜の厚み‐呼気時の横隔膜の厚み)/呼気時の横隔膜の厚み}とした。DEは右季肋部鎖骨中線上からMモードで測定した。各測定値は、測定者2人が3回測定し、その平均値を用いた。またHFNC離脱前後の呼吸数、SpO2も記録した。
【結果】対象患者は12例(男性6例、女性6例)、平均年齢は65歳、APACHEIIスコアの中央値は17 、HFNC装着日数の中央値は2日だった。HFNC離脱前後のTFとDEに有意差はなかった {中央値(第1-第3四分位、以下同様)}{TF: 1.3(1.0-1.8) vs. 6.6(‐6.5-19.3)% ,p =.27}、{DE: 1.36(0.92-1.79) vs. 1.6(1.32-2.20)cm ,p = .10}。離脱前後の呼吸数(19 vs. 20回/分 ,p = .95)、SpO2(96 vs. 96% ,p = .87)に有意差はなかった。
【結論】HFNCの離脱前後で横隔膜機能に変化はなかった。ただし、本研究はHFNCの流量設定が低く、症例数が少ないことも影響した可能性がある。今後HFNCが横隔膜機能に与える影響についてさらなる検討が必要である。