第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

蘇生

[P101] 一般演題・ポスター101
蘇生02

Sun. Mar 3, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:小林 忠宏(国立大学法人山形大学医学部附属病院救急科)

[P101-2] 【優秀演題(ポスター発表)】救急隊接触後発症non-shockable OHCAでのE-CPRの背景とアウトカム(SOS-KANTO2012解析報告)第2報

吉田 徹1, 堤 健1, 吉田 稔1, 桝井 良裕1, 藤谷 茂樹2, 平 泰彦2, 北村 伸哉3, 櫻井 惇3, 森村 尚登3 (1.聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 救命救急センター, 2.聖マリアンナ医科大学 救急医学, 3.SOS-KANTO 2012 study 小委員会)

【背景】 Non-shockable OHCAは一般的にshockable OHCA より予後不良とされる。OHCAに対して体外循環補助を用いた心肺蘇生(E-CPR)の有益性が示唆されているが、比較的アウトカムが良好なshockable OHCAが中心で、全体としてアウトカム不良なnon-shockable OHCAでE-CPRにより改善があるかは明らかでない。救急隊接触後に発症し、直後から適切な心肺蘇生が行われ比較的予後良好と考えられるnon-shockable OHCAにおいてE-CPRの有無でアウトカムに変化があるか検討する事を考えた。【目的】 救急隊接触後に発症し、その直後から適切な心肺蘇生が行われたnon-shockable OHCAを対象とし、経皮的心肺補助(PCPS)の適用状況とそのアウトカム改善効果について検討する。【方法】 SOS-KANTO 2012 study(2012年1月~2013年3月に関東地方67救急病院に入院した院外心肺停止例を登録)で集積された16452例から、18歳以上で発症前ADLが良好~中等度障害で救急隊接触時正常な自発呼吸か脈拍触知があり、心停止発症直後に心肺蘇生が開始され病院着までVF/pulseless VTや電気ショックがなく、来院時心停止で2次救命処置施行した531症例を、PCPS施行群と非施行群に分け、その背景とアウトカムを後ろ向きに解析した。【結果】 E-CPR施行群は38例、非施行群は493例であった。背景因子の単変量解析で、PCPS施行群は非施行群より有意に若く、発症前ADLが良好であり、体重が重く、発症-来院の時間が短かかった。3か月生存率・脳機能良好率はPCPS施行群が非施行群よりそれぞれ有意に高く(16.6% vs. 3.7% P=0.004、13.8% vs. 1.7% P=0.001)、背景因子で補正した多変量解析では、PCPS施行と発症-来院の時間が3か月脳機能良好の独立した予測因子であった。【結論】 今回研究では、背景因子に差があるもののPCPS施行群は非施行群より有意に3か月アウトカムが良好で、発症-来院の時間と、PCPS施行は独立した3か月生存・脳機能良好の予測因子であった。Non-shockable OHCAにおいても、適切な症例を選択する事で、E-CPRによるアウトカム改善の可能性が考えられた。