第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P11] 一般演題・ポスター11
患者管理01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:西 憲一郎(大阪赤十字病院 麻酔科・集中治療部)

[P11-6] ICU退室後3日以内の再入室症例の検討

沖田 綾乃, 今泉 均, 齊木 巌, 清川 聖代, 福井 秀公, 荻原 幸彦, 長倉 知輝, 関根 秀介, 内野 博之 (東京医科大学 麻酔科学分野)

 [背景] ICU退室基準を満たしICUを一旦退室した患者が, 病態悪化によりICUに再入室する症例がみられる. ICU再入室は病院滞在日数を増やし, 病院死亡率の独立したリスク因子とされている.  [目的] ICU再入室の緊急入室患者の再入室リスク因子を後方視的に検討した.  [方法]2017.4~2018.7に当ICUに入室した総患者数1216症例で3日以内に再入室した18例のうち, 入室時心停止状態であった1症例を除外した17症例の年齢, 性別, 主診療科, 基礎疾患(高血圧など)初回入室経路, 初回在室日数,初回入室時・退室時SOFA score, 退室時のバイタル所見, 再入室理由, 再入室時SOFA score, 再入室時の人工呼吸管理・腎代替療法, 機械的循環サポートの有無, 初回入室時・退室時そして再入室時乳酸値を調査した. 初回退室時のバイタルサイン, 乳酸値, SOFAは呼吸状態悪化例と予期せぬ再入室例で比較検討した. [結果]年齢は70±13歳で, 男/女は14/3例. 9例が心臓血管外科で, 2例が消化器外科、その他各々1例が耳鼻科・口腔外科・腎臓内科などであった. 基礎疾患は高血圧を7例に, 心房細動・脳梗塞が各々3例あった. 初回入室経路は, 定時手術後入室10例(6例が心外例)、緊急手術後入室2例. 初回在室日数の中央値は3日(2-23日), 再入室時在室日数の中央値は4.5日(2-39日)であった. 初回入室時/退室時SOFAは各々5/4, 再入室時SOFA scoreは6(いずれも中央値)あった. 再入室理由として呼吸状態悪化が8例、体液過剰・腎機能障害(CHDF施行目的)が3例であった. 再入室時に挿管下人工呼吸管理は5例, NPPV使用は4例. 腎代替療法は4例がCHDF, 1名がHD施行した. 機械的循環サポート症例はなかった。退室時のバイタルサイン, 乳酸値, SOFA scoreを病態悪化例と予期せぬ再入室例で比較検討したところ, 各々退室時呼吸数は21.6±4.4回/分 vs 19.3±3.4回/分( p=0.25), 乳酸値は1.4±0.4mg/dL vs 1.2±0.5mg/dL( p=0.27), SOFAは4.9±1.9 vs 4.4±2.5( p=0.69)で、有意差はなかった. [結論]当施設の退室基準は「意識・呼吸・循環・肝機能・腎機能」の項目別に設けている. 今回再入室例を病態悪化例と予期せぬ再入室例で、退室時のバイタルサイン, 乳酸値, SOFAを比較検討したが, 群間差はなかった. 代償機転で頻呼吸を呈するため、退室基準の中に呼吸数を加えることは必要であると考えられた.