[P18-1] 交感神経の関与が疑われる心疾患に対して星状神経節ブロックを施行した2症例
【背景】薬剤抵抗性の冠攣縮性狭心症(以下VSA)や心室頻拍(以下VT)では交感神経の関与が知られている。今回薬剤抵抗性で難治性のVSAとVTで星状神経節ブロック(以下SGB)を施行し、効果を得た2症例を経験したので報告する。【臨床経過】一例目は83歳男性。ICD植え込み後の多源性VTを発症。2週間にわたって複数回ICDが作動し、洞調律に回復してはいたもののついにVTが停止せず、救急要請された。その際施行された救急隊の体外式DCでVTは停止。入院後もアミオダロン、ランジオロール、鎮静管理となったがVTは頻回に出現し、コントロール不良であった。循環器科より翌日に左SGB依頼があり、同日施行。SGB施行時に、エコー下で穿刺部位の確認したところ、心不全のためか頸部の末梢血管が発達しており、穿刺に難渋した。難渋はしたもののSGBは施行でき、翌日以降もVT出現はなかった。その後1週間効果は持続し、一般病棟へ転棟したが8日目にVT出現し、ICD効果なく死亡された。二例目は56歳男性。以前よりPCIを複数回行なっているVSAの患者。1ヶ月前よりspasm頻回となり、血圧低下が持続。循環器科よりSGB依頼あり。気管切開後であり、周囲の発赤もあったためSGBは一度のみ施行。その後は2週間連日直線偏光近赤外線照射(SGR)を施行し、spasmは減少した。しかし炎症部位に照射を継続していたため水疱形成があり、そこで終了とした。その後2ヶ月の間に再度spasmの頻度が増加。再度SGB依頼あり、SGBを施行した。その後spasmの出現はなかった。【結論】交感神経の関与が疑われる心疾患に対して星状神経節ブロックや直線偏光近赤外線照射は有効な治療法の一つと思われるが、施行頻度については検討が必要である。