[P3-5] 被殻出血に類似したCT所見を認めた中大脳動脈瘤破裂の一例
【背景】頭蓋内出血は部位や原因により治療法が異なる。今回、被殻出血に類似したCT所見を認めた中大脳動脈瘤破裂の一例を経験したので報告する。
【臨床経過】71歳女性。昼前に突然の頭痛を訴え、一度トイレに行き意識消失となったため救急搬送となった。来院時、JCS300、除脳硬直姿位、血圧216/98mmHg、心拍数68bpm。頭部単純CTにて右被殻付近に径50mm大の血腫を認めた。当初は右被殻出血と思われたが、血腫の分布が右シルビウス裂から右被殻と広範囲であり被殻出血としては非典型的であった。CTアンギオグラフィを行ったところ右中大脳動脈(MCA)分岐部に4×8mm大の動脈瘤を認めたため、開頭クリッピング術、開頭血腫除去術、開頭減圧術が施行された。その後は、再破裂等合併症なく経過し意識レベルはJCS2まで回復し、左不全麻痺が残存したが第48病日に回復リハビリテーション病院に転院となった。
【結論】頭蓋内出血は、その原因により治療方針や術式に影響を及ぼすため出血部位と原因の診断が重要である。動脈瘤性くも膜下出血(以下SAH)は術前に破裂動脈瘤の特定を行うことが必須であり、本症例のように脳実質内出血との鑑別が困難であった症例が複数報告されている。また、動脈瘤性出血の約30%の症例で脳実質内出血を合併し、脳室内出血や脳実質内出血のみでSAHを伴わない動脈瘤破裂は1.6%あると報告されている。本症例のように被殻出血とMCA分岐部動脈瘤破裂は血腫の分布が類似しやすいため注意を要する。
【臨床経過】71歳女性。昼前に突然の頭痛を訴え、一度トイレに行き意識消失となったため救急搬送となった。来院時、JCS300、除脳硬直姿位、血圧216/98mmHg、心拍数68bpm。頭部単純CTにて右被殻付近に径50mm大の血腫を認めた。当初は右被殻出血と思われたが、血腫の分布が右シルビウス裂から右被殻と広範囲であり被殻出血としては非典型的であった。CTアンギオグラフィを行ったところ右中大脳動脈(MCA)分岐部に4×8mm大の動脈瘤を認めたため、開頭クリッピング術、開頭血腫除去術、開頭減圧術が施行された。その後は、再破裂等合併症なく経過し意識レベルはJCS2まで回復し、左不全麻痺が残存したが第48病日に回復リハビリテーション病院に転院となった。
【結論】頭蓋内出血は、その原因により治療方針や術式に影響を及ぼすため出血部位と原因の診断が重要である。動脈瘤性くも膜下出血(以下SAH)は術前に破裂動脈瘤の特定を行うことが必須であり、本症例のように脳実質内出血との鑑別が困難であった症例が複数報告されている。また、動脈瘤性出血の約30%の症例で脳実質内出血を合併し、脳室内出血や脳実質内出血のみでSAHを伴わない動脈瘤破裂は1.6%あると報告されている。本症例のように被殻出血とMCA分岐部動脈瘤破裂は血腫の分布が類似しやすいため注意を要する。