第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

循環 研究

[P35] 一般演題・ポスター35
循環 研究

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場15 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:澤村 匡史(済生会熊本病院集中治療室)

[P35-3] 心筋梗塞後左室自由壁破裂患者の集中治療管理:9症例の後方視的検討

相澤 茉莉子, 石原 聡, 秋本 貴子, 本間 多恵子, 横山 健 (手稲渓仁会病院 麻酔科・集中治療室)

【背景】左室自由壁破裂は心筋梗塞後に起こる致死的な合併症である。その集中治療について明確な指針はなく、実態を明らかにする目的で本研究を計画した。【方法】当院ICUにおいて2014年8月から2018年7月の間に左室自由壁破裂の診断で入室した全症例を対象とした。主な治療内容について診療記録を後ろ向きに調査した。【結果】9症例が対象となり、年齢は71 [67-75]歳だった。全例が左室修復術を受けICUに入室し、3例がICUで死亡、2例が再手術を要した。術前は心停止3例を含む8例が心原性ショックだった。主な治療内容を表1に示す。生存患者のICU滞在日数は11 [7-14]日、院内滞在日数は56 [51-62]日だった。【考察】左室破裂の管理において比較的良好な成績を得ていた。重症度が高い患者群に対して全例で外科治療が行われていたこと、心原性ショックの管理や再破裂防止の観点から使用に注意を要するβ遮断薬や抗血栓薬が高率に使用されていたことは特筆すべきである。抗血栓薬の使用開始時期はばらつきが大きく、個々の症例の状態に応じた慎重な判断がなされた結果と考えられる。こうした治療については未だ指針がなく、より多くの症例を集積しての治療内容や転帰との関連を検討することが望まれる。
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