[P39-3] 経カテーテル大動脈弁移植術における術中open stuck valveをきたした2例の検討
【背景】経カテーテル大動脈弁移植術(TAVI)でのOpen stuck valveは、移植した人工弁が解放位にて固定する状態であり、頻度は低いが急性弁逆流から急激な循環不全に陥る。我々が経験したopen stuck valveについて検討する。。【目的】術中open stuck valveを発症した症例の経過、診断方法、術中・術後管理について考察とともに報告する。【症例1】84歳男性。重度大動脈弁狭窄症に対してTAVIを計画した。閉塞性動脈硬化症の既往にて経心尖部的アプローチでのTAVIとした。第5肋間開胸から経心尖部的にSapien XT をdeployした。弁移植後に血圧の再上昇が得られずショック状態に陥った。次第に心室細動をきたしたことから経皮的人工心肺を導入し、電気的除細動を行った。電気的除細動を契機に弁尖が開閉を開始し、循環動態が改善した。弁機能の改善後は速やかに経皮的人工心肺の離脱が可能となり、手術を終了した。術翌日に抜管し、術後経過は順調であった。【症例2】76歳女性。経大腿動脈的にTAVIを行った。心室細動下に????をdeployした。弁移植後にvfから回復せず、経皮的人工心肺を導入し、電気的除細動を施行した。経食道超音波にてopen stuck valveが確認された。電気的除細動を契機に人工弁機能が回復した。その後は経皮的人工心肺の離脱も順調であり、術経過は良好であった。【結論】TAVIの術中open stuck valveの2例を経験した。どちらの症例も急激な循環虚脱に陥ったが救命しえた。術中の循環動態の変化及び、経食道超音波検査により診断に至った。