第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P42] 一般演題・ポスター42
チーム医療01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場1 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:坂本 美賀子(済生会熊本病院)

[P42-2] 当院における早期離床リハビリテーション加算の運用と課題

長谷川 信1, 金本 匡史2, 山口 裕臣1, 高橋 和宏1, 菅谷 知明1, 宇佐美 知里2, 小林 瑞枝2, 田澤 昌之1, 日野原 宏2, 和田 直樹2 (1.群馬大学 医学部附属病院 リハビリテーション部, 2.群馬大学 医学部附属病院 集中治療部)

【はじめに】2018年4月に早期離床リハビリテーション(リハ)加算項目が新設された。当院では2012年よりICUにおける早期離床を目的とした多職種で構成するチーム介入実践のために理学療法士を配置しており、2018年7月より早期離床リハ加算の算定を開始した。算定を進める中で当院における早期離床リハ加算の運用について現状および課題を報告する。【当院ICUにおける早期離床リハ】当院では術後全身管理および院内にて重症化した患者、重篤な救急搬入患者がICUにて全身管理および治療が行われている。毎朝、ICU医師と主治医との治療方針が検討され、その方針を踏まえ多職種(ICU医師、リハ医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、メディカルクラーク)チームカンファレンスが行われ、治療方針および各種検査や特殊治療に加え離床を検討している。離床の適応については当院で作成した離床チャートのアルゴリズムに従い、年齢や予後を考慮した介入としている。【運用の実際】当院では算定要件に満たしたスタッフ数はICU医師3名、集中ケア認定看護師2名、理学療法士6名である。早期離床加算の算定は、(1)多職種チームカンファレンスにてリハ介入が可能と判断、(3)当該患者がICU入室48時間以内、(3)算定要件の全職種のスタッフがカンファレンスに参加、のすべてを満たした際に算定を行っている。なお、算定要件を満たさない場合や入室14日以上の患者に対してはリハ医師の処方にて疾患別リハ介入を行うこととしている。算定開始からの2か月間の入室患者は270名であり、リハ介入患者は139名(入室患者の51.5%)で早期離床リハ加算対象患者は77名(リハ介入者の55.4%)であった。なお、早期離床リハ加算および疾患別リハ算定しない患者に対しても必要に応じてICUでの管理の一環として介入を行っている。【運用の課題】当院で算定できない主な要因として重篤な状態で入室48時間以内に介入が困難な患者および術後全身管理患者による翌日退室の症例であった。また、ICU医師や重症集中ケア認定看護師のカンファレンス未参加も要因となっていた。今後、重篤な症例に対する介入基準を再検討や算定要件を満たす要件にあった医師、認定看護師、理学療法士の増員にて早期離床リハチーム体制を整えることで効率的かつ集約的な介入が期待される。