第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P42] 一般演題・ポスター42
チーム医療01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場1 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:坂本 美賀子(済生会熊本病院)

[P42-6] ICUに長期滞在となった大動脈炎症候群の一例

長尾 工1, 中村 寛美1, 大川 美沙2, 成井 花奈恵2 (1.榊原記念病院 ICU, 2.榊原記念病院 看護部)

【背景】術前より身体機能の低下、大動脈炎症候群が背景にあり、手術侵襲によるカテコラミンや人工呼吸離脱困難を認めたICU滞在患者への看護介入を振り返り、看護師による多職種の調整、継続看護の共有化、患者参画の必要性について検討を行った。【臨床経過】51歳、女性。152cm、体重40kg。大動脈炎症候群に対しAVR施行後、人工弁機能不全となりBentall、cAVBに対しPMI施行後、MRの出現に対して近医でフォローアップを受けていた。呼吸困難が出現し、手術希望のため当院へ入院となった。心不全加療後に手術を予定していたが、ARDS併発し、IABPサポートし準緊急でA弁パンヌス除去、MVR、AAR、TAP施行となった。術後は肺高血圧、LOS、敗血症を認め、人工呼吸管理(RASS-3目標)、カテコラミン長期投与をICUで実施した。POD4にIABP離脱、POD5に呼吸器離脱し、理学療法開始した。同日に頻呼吸、乏尿となり再挿管、POD11で気管切開となった。POD14創部感染でVAC装着したが、鬱症状が出現し、リエゾン介入となった。POD16よりモチベーション維持するために嚥下訓練を開始し、端坐位時間の確保を目標とした。POD30より多職種カンファレンスを継続的に実施できるようになり、患者・家族参画型ケアのため意欲維持と自覚症状コントロールを主眼で介入が継続された。POD42で大網充填術を行い、抗生剤加療のみを継続。POD44より看護師主導で呼吸器On-Offが開始し、POD62に在宅呼吸器を導入した。ICU滞在中は多職種による介入を行い、歩行訓練、完全経口食への移行などのADL再獲得、終日の呼吸器離脱が可能となり、POD73にICUより退室となった。【結論】炎症性疾患のため、感染症の治療に難渋し、精神面での支援が重要となった。多職種連携を図り、継続的な介入を図れたことが患者にとって能動的なリハビリを実践できた。