第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

RRS

[P44] 一般演題・ポスター44
RRS

2019年3月2日(土) 11:00 〜 12:00 ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:須賀 将文(神戸市立医療センター中央市民病院)

[P44-1] 当院におけるRRS(Rapid response system)導入後3年間の経過

野田 透, 岡島 正樹, 佐藤 康次, 佐野 宏樹, 中山 祐子, 余川 順一郎, 中村 美穂, 谷口 巧 (金沢大学 附属病院 集中治療部)

[背景] 当院では2014年12月よりRRS(Rapid response system)を導入した。急変時に活動するチームの名称は”RRT(Rapid response team)”であり、集中治療部の医師、看護師それぞれ1名が要請を受けて出動する。要請基準は、「心肺停止時もしくは短時間で心肺停止する可能性があると判断されるとき」である。[目的] 当院におけるRRSの体制、要請基準、要請の状況等を紹介することにより、今後RRSの導入を考えている施設の参考としたい。[方法] RRT要請時の記録および電子カルテから発足後3年間の活動状況を分析した。[結果]3年間で114回の要請があり、患者年齢は16歳から88歳まで(中央値65.5歳)であった。時間経過の記録不備の事例を除く全例において10分以内での現場到着が可能であった。全体の76.3%が病棟からの要請であった。69.3%が医師により何等かの急変時処置が行われている状態からの応援要請であった。要請理由のうち心肺停止が占める割合は36.8%であった。RRT要請例の45.6%が集中治療室での治療を要し、28日死亡率は35.1%であった。RRT要請事例に対して、関連部門での症例検討が3回行われた。ICU医師がRRT要請に出動できなかったことは1回あり、その際は麻酔科医師が速やかにRRT医師として出動した。[結論] 当院においては順調にRRSを発足させることができた。心肺停止する前に急変の兆候を予測してRRTを要請するという点で課題が残ると考えられる。