第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

終末期

[P46] 一般演題・ポスター46
終末期

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場5 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:永野 由紀(高知大学医学部附属病院ICU)

[P46-4] ICUにおける急性型終末期患者の家族に対する声掛けの意図

土井 香, 赤名 祐貴 (島根県立中央病院)

【背景】救急医療等における急性型終末期の患者の特徴は、死が極めて短時間に切迫した状況に至るとされ、その家族は患者の急激な状態の変化に衝撃を受け、事実を受けとめる間もなく患者の死を体験する。家族が患者の病状を理解できる支援や、心理的動揺を和らげるなどICU看護師の適切な声掛けが求められるが、自らの声掛けに自信を持てず不安を感じることが多い。【目的】急性型終末期の家族ケアに活かすため、急性型終末期患者の家族ケアに長けているICU看護師が実際に行っている声掛け内容と、その意図を明らかにする。【方法】対象は、1)臨床経験5年以上、2)過去5年のうちにICUに在籍したことがあり、ICU経験が5年以上、3)ICUにおける急性型終末期看護に長けている、4)自らの体験を語れる者とし、以上の条件を満たし病棟管理者から推薦を受けた看護師とした。研究同意が得られた対象者へ個別でインタビューを行い、声掛けの具体的内容を語ってもらった。インタビュー内容から遂語録を作成し、語りをコード化した。コード内容の類似性と関連性を検討し、カテゴリーを生成した。本研究は、島根県立中央病院臨床研究・治験審査委員会の承認を得て実施した(中臨R17-020)。【結果】対象者は4名、インタビューは1~2回で、1名の総インタビュー時間は40~90分だった。声かけの意図として<8サブカテゴリー>、≪4カテゴリー≫が抽出され、≪できることが限られる中でも、患者に何かしてあげられたと思ってもらえる≫は、<患者の置かれている状況に躊躇したり、遠慮せず、患者にしてあげたいと思うことをやってもらえる>と<患者に何かしてあげられていると感じてもらえる>で構成された。≪気を緩めてもらえる≫は、<無理している身体を休めてもらえる>と<動揺する気持ちを落ち着けてもらえる>と<孤独感や沈んだ気持ちを和らげる>で構成された。≪思いや感情を表出してもらえる≫は<思いや感情を表出してもらえる>、≪患者の死が近づいていることを理解してもらえる≫は<家族からは分かりづらい患者の状態を正しく理解してもらえる>と<患者の死に対して、心の準備をしてもらえる>で構成された。【結論】急性型終末期患者の家族に対する声掛けの意図として、4カテゴリーが抽出され、いずれも家族に納得できる最期を迎えてもらえるように声掛けを行っていることが明らかとなった。