第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

家族支援

[P49] 一般演題・ポスター49
家族支援

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場8 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:川上 悦子(長崎大学病院看護部)

[P49-4] 誤嚥性肺炎を繰り返す症例に対する治療方針についての検討

中島 研1, 瀬尾 勝弘2 (1.平成紫川会 小倉記念病院 救急部, 2.平成紫川会 小倉記念病院 麻酔科・集中治療部)

成人肺炎診療ガイドライン2017では、易反復性の誤嚥性肺炎リスクがある場合は、「個人の意思やQOLを考慮した治療・ケアを行う」という指針が示されている。しかし、急性期病院で積極的・侵襲的な治療を行わない方針であっても、転院先で呼吸状態が悪化した場合は紹介・再入院となる場合も多い。当院で、誤嚥性肺炎により入退院・転院を反復した症例ついて検討した。【症例1】80歳代、男性。(1回目)嚥下障害・誤嚥性肺炎で入院。経鼻・経管栄養を継続して療養型病院へ転院。(2回目)肺炎再燃し当院に転院。胃瘻造設(PEG)は希望されず、経管栄養で転院。(3回目)肺炎再燃し当院に転院、前回同様の経過で転院。(4回目)肺炎再燃し当院に転院。PEG・気管挿管・気管切開・人工呼吸は希望されず、喀痰吸引目的で輪状甲状靭帯穿刺(ミニトラック)を挿入した。肺炎が改善せず死亡。【症例2】80歳代、男性。(1回目)誤嚥性肺炎、呼吸不全で当院入院。気管挿管・人工呼吸は希望されず。肺炎治療・リハビリ目的で転院後、さらに療養型病院へ転院。(2回目)肺炎再発し当院へ転院。挿管・人工呼吸、ミニトラック挿入は希望されず。ネーザルハイフロー装着、気管支鏡による喀痰吸引等で呼吸管理を行い、肺炎改善後に転院。【症例3】80歳代、男性。(1回目)当院で入院治療後、療養型病院へ転院。その後、施設入所。(2回目)肺炎再発し当院に入院。気管挿管・人工呼吸は希望されず。経口摂取困難で経管栄養とし、療養型病院へ転院。(3回目)肺炎再燃し当院に転院。気管挿管・気管切開・人工呼吸やPEGは希望されず。経管栄養を継続し、療養型病院へ転院となる。【結論】誤嚥性肺炎を反復する症例では、肺炎再燃・呼吸状態の悪化時の対応を含めた治療方針ついて、家族・転院先を含めた検討・連携が必要である。