第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

感染・敗血症 研究

[P50] 一般演題・ポスター50
感染・敗血症 研究03

2019年3月2日(土) 11:00 〜 11:40 ポスター会場9 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:松井 憲子(東北大学病院 看護部 総合外科病棟)

[P50-4] 人工呼吸器関連肺炎に対するグラム染色を用いた抗生剤選択に関するランダム化比較試験 -進行状況の報告-

吉村 旬平1,2, 山川 一馬1,2, 太田 好紀2, 森本 剛2 (1.大阪急性期・総合医療センター 救急診療科, 2.GRACE-VAP trial Investigators)

世界的に拡散し蔓延する耐性菌への対策は喫緊の課題となっており、抗生剤適正使用の必要性が強調されている。集中治療室において一般的な人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、その起炎菌の分布から、初期抗生剤として広域抗生剤が選択される場合が多く、安全に広域抗生剤の使用を制限する方法は確立していない。演者らはこれまでVAP治療における吸引痰グラム染色の意義について、単施設後方視的観察研究を行い報告してきた(Crit Care 2017)。VAP治療直前に採取した吸引痰のグラム染色結果を基にした抗生剤選択は、IDSA/ATS (the Infectious Diseases Society of America and the American Thoracic Society) VAPガイドラインが推奨する抗生剤選択と比較し、起炎菌カバー率を低下させることなく、広域抗生剤(抗MRSA薬あるいは抗緑膿菌薬)の使用を制限した。さらなる検討として、グラム染色結果を基にした抗生剤加療とIDSA/ATS VAPガイドラインに基づいた抗生剤加療による肺炎治癒を比較する多施設共同ランダム化比較試験GRACE-VAP (GRam stain-guided Antibiotic ChoicE for Ventilator Associated Pneumonia) trial(UMIN試験ID:UMIN000031933)を計画し、2018年4月より日本全国10施設で症例登録を開始した。本発表では、GRACE-VAP trialの研究計画および、現在の進行状況を報告する。