第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-7] ICUに隣接した脳卒中ケアユニットの設置と運用に関する報告

花吉 志朗, 亀田 真澄美 (潤和会記念病院 脳卒中ケアユニット看護部)

【背景】当院に脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit,SCU)はないため脳卒中患者(SP)の初期治療は,軽症例が一般病棟,重症例がICUで行う体制になっていた.SCUで治療することで,死亡率の低下,在院期間の短縮,自宅退院率の増加,長期的なADLとQuality of Lifeの改善を図ることができる.よって, SCUの開設が計画された.計画段階でICUに隣接したSCUが最も有効と判断された. 2018年3月に建築され運用が開始された.2019年3月に正式に稼働する予定で,現在,運用に関する工夫と評価を行っている.【目的】当院SCUの現状を報告する.【方法】設計図,設備,患者入退室など調べた.本報告は院内の倫理委員会の承認を得た.また,開示すべきCOIはない.【結果】構造:ICUに隣接した一画に床面積:213m2で6床を開設した.1ベッドあたり:7.1m2とし,リハビリテーションを積極的に行うことができる広さとした.早期リハビリテーションを行うため縦0.7m,横1.5mと横1.9mlの手すりを設置した.ICUに接する壁に横開きで幅1.5mの扉を設置した.人員配置:看護師16人を2交代勤務とし7対1看護体制で,専任理学療法士を1人配置した.機器:ベッドサイドモニター:6台,セントラルモニター:1台を配置した.また,除細動器,心臓マッサージシステムおよびポータブルレントゲン,尿比重屈折計と残尿測定器はICUと兼用とした..緊急体制:当院は24時間体制で救急対応を行っている.SPの受け入れを,意識障害や呼吸障害を伴うSP,血栓溶解療法を行うSP,外科的治療や血管内治療の術後管理が必要なSPをICU入室対象とした.急性期の薬物治療が必要なSPをSCU入室対象とした.運用:SCU開設前の1年間で入院したSP:410人で,そのうち140人がICUに入室し,平均在室日数:4日であった.SCU開設後,5か月間で救急外来から入院したSP:173人で,そのうち65人がICUに入室した.平均在室日数:3.9日であった.SCUには64人が入室し平均在室日数:6.7日だった.5か月間でのSCU入室患者総数は143人で,そのうちICUからの転入が61人であった.【結論】SCU開設でSPの初期治療をICUと機能を分担することができた.ICUで受け入れたSPの在室日数は平均0.1日短縮した.ICUと接する部分にドアを設けることで,緊急時の患者の移動と応援が容易となる.また,ICUとの機器を兼用することができる.SCUをICUに隣接した構造にすることは,多くの面でメリットがあると考えた.