第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P60] 一般演題・ポスター60
検査法・モニタリング01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:渡海 裕文(兵庫県立淡路医療センター 麻酔科)

[P60-3] ICU患者における下肢静脈エコー実施症例の検討

蕪木 友則, 須崎 紳一郎, 原田 尚重, 原 俊輔, 寺岡 麻梨, 平山 優, 山本 浩大郎, 鈴木 秀鷹, 岸原 悠貴, 河口 拓哉 (武蔵野赤十字病院 救命救急科)

ICU入室患者に対して、下肢静脈エコーはベットサイドで比較的簡便に施行できる検査である。しかし、正確に評価するためには、検査手技の習熟は必要である。また、下腿静脈の評価に関しては、体位保持の制限がある患者が多く、検査に制限が加わることが多い。【目的】当院ICUにおける、下肢静脈エコー検査実施状況を調査し、問題点を抽出し改善策を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は2013年1月から2017年12月までの5年間に、ベットサイドで検査技師が下肢静脈エコーを施行した患者。検査の理由、検査範囲、肺塞栓・下肢静脈血栓の有無、Dダイマー値、Wells スコアなどを調査した。【結果】対象症例は12例。年齢は81歳(中央値)。検査理由としては、肺塞栓の精査が5例、Dダイマー高値が3例、下肢の片側腫脹が2例、間欠的空気圧迫装置装着前のスクリーニングが2例であった。検査範囲は、全下肢検査が行えた症例は5例、大腿静脈から膝窩静脈までの中枢下肢検査しか行えなかったのは7例であった。中枢下肢検査で血栓を認めた症例は3例、血栓を認めなかったが肺塞栓症を発症している患者は2例であった。Dダイマーは全例で上昇、Wells スコアは0点が1例、1~2点が9例、3点が2例であった。【考察】下肢静脈エコー検査の結果で新たな介入をする状況は、抗凝固療法と間欠的空気圧迫装置装着の是非である。中枢下肢検査しかできなかった症例で、肺塞栓合併なく、下肢静脈血栓を指摘できなかった2症例は、抗凝固療法、間欠的空気圧迫装置の適応が判断できなかった。検査の限界であると思われる一方で、検査方法の工夫が必要であると思われた。【結論】下肢静脈エコーはICUのベットサイドで行うことの検査制限はあるが、検査法の工夫が必要であると思われた。