第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P60] 一般演題・ポスター60
検査法・モニタリング01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:渡海 裕文(兵庫県立淡路医療センター 麻酔科)

[P60-2] 糖尿病性ケトアシドーシスにおける間質糖モニタリング装置FreeStyleリブレTMの使用経験

和久田 千晴1, 加藤 弘美1, 鈴木 祐二1, 御室 総一郎1, 小幡 由佳子1,2, 土井 松幸1, 中島 芳樹2 (1.浜松医科大学医学部付属病院 集中治療部, 2.浜松医科大学医学部付属病院 麻酔科蘇生科)

背景:間質糖モニタリング装置FreeStyleリブレTM(以下、リブレ)は、皮下間質液中のグルコース値を連続的に測定し記録するセンサーと非接触でセンサー内の記録を読みとるリーダーから構成され,推定血糖値を表示記録する製品である。今回、糖尿病性ケトアシドーシス症例の血糖管理でリブレの使用を経験したため報告する。臨床経過:【症例】48歳女性。1型糖尿病、糖尿病性腎症があり、神経因性膀胱による尿路感染を繰り返していた。【現病歴】尿路感染症に伴う糖尿病性ケトアシドーシスの診断で入院の後、集中治療部へ入室した。【入院時検査所見】血糖1108 mg/dL、プロカルシトニン12.3ng/mL、総ケトン9943μmol/L、乳酸4.8mmol/L、血液ガス分析 pH7.050、BE-23.1mmol/L【入院後経過】観血的動脈ライン留置し、血液ガス分析装置(ABL90FLEXPLUSシステム)を用いた血糖値測定を1時間毎に行った。右上腕にリブレのセンサーを装着し間質糖モニタリングを開始したが、直後は血糖高値で測定不可能であった(リブレの血糖測定範囲は40-500mg/dL)。抗生剤治療に加え、インスリン持続投与と補液を行い、徐々に血糖値は低下し、血糖500mg/dL以下になってからはリブレでも血糖測定が可能となった。入室12時間後の血液検査で血糖139mg/dL、リブレで血糖124mg/dLであり、両者は近似していた。インスリン持続投与に伴う低血糖、またインスリン減量とブドウ糖負荷に伴う低血糖是正の過程でも、13/14/16時間後の血糖は血液ガス分析で77/51/103mg/dL、リブレの血糖は73/52/116mg/dLと追従していることが確認された。インスリン持続投与量の調節を行い、翌日集中治療室を退室となった。結論:糖尿病性ケトアシドーシスの血糖管理において,リブレは500mg/dl 以下の領域では採血による血糖測定値の間の血糖推移の情報を提供できるので低血糖の早期発見に有用であり,採血の頻度を減らせる可能性がある。