[P74-1] 小児集中治療研修の研修到達度評価とその問題点
【背景】国立成育医療研究センター集中治療科では、米国のThe Pediatrics Subspecialty Milestone Projectを参考に専門研修医(以下フェロー)の研修到達目標を5項目(1.情報収集と病態把握に基づいた治療計画の立案、2.EBMの理解と応用、3.教育への参加、4.適切なコミュニケーション、5.チーム医療における責任ある態度)に関して設定し、毎年2回(8月・3月)の自己評価および他己評価(医師、看護師、薬剤師)を行っている。【目的】当科での研修到達目標の達成状況を検討し、研修および研修到達目標の問題点を抽出すること。【方法】2016および2017年度の多職種による他己評価結果を用いて、17-18名の評価実施者の中央値を評価点とし、項目毎の値と5項目の平均点を評価時期(研修開始後月数)別に検討した。年次別の到達目標は5点満点のうち(1)1年次:2-3点、(2)2年次:3-4点、(3)3年次:4-5点とした。【結果】延べ46名のフェローが評価を受け、年次別の卒業後年数中央値は、(1)6.5年、(2)7年、(3)7.5年であった。5項目の平均点は研修開始後月数に伴って上昇し、全フェローが到達目標に達した(図)。EBMの理解と応用(各年次終了時の中央値:(1)3.0 (2)3.3 (3)4.0)、教育への参加((1)3.0 (2)3.5 (3)4.3)は、他の項目と比較して低値であった。【結論】当科での研修と研修到達目標は概ね適切であると考えられた。EBMの理解と応用・教育への参加に関しては、研修の改善とともに、評価項目が日本の小児集中治療研修においても妥当であるかの検証が必要である。