第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

内分泌・代謝

[P77] 一般演題・ポスター77
内分泌・代謝02

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場15 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:浅賀 健彦(香川大学医学部付属病院・集中治療部)

[P77-1] 水中毒患者の血清ナトリウム値の補正に関する検討

齋藤 豊, 佐藤 信宏, 廣瀬 保夫 (新潟市民病院 救急科)

【背景】救急外来で重症低ナトリウム血症の患者としばしば遭遇し、その後の血清ナトリウム値の補正中に急激な上昇を認めることがある。とりわけ水中毒の場合にそのような急激な上昇を認めることが多い印象がある。そのため当院の水中毒患者の入院後の血清ナトリウム値の推移を調べてみる事とした。【方法】2008年3月1日から2018年3月31日の期間に水中毒の診断で入院加療となった患者のべ31名のナトリウムの上昇速度に関し後方視的に観察を行った。【結果】男女比 14:17、平均年齢 56.5歳、平均在院日数 9.1±5.6日、平均来院時血清ナトリウム値 112±5.7mEq/L、来院後12時間で内の平均血清ナトリウム上昇速度 0.91±0.56mEq/L/h、12時間でのナトリウム上昇濃度10.6±6.7mEq/Lであった。なお、全ての患者でナトリウム補正による有害事象は認めなかった。【結論】一般的に推奨されているナトリウムの補正速度は重篤な症状を伴う場合に1-2mEq/L/h、最初の24時間で10mEq/Lとされている。今回一部の患者においてはより急激な血清ナトリウム値の補整速度となっていたことが想像された。しかし、それらの患者においても重篤な合併症はなく、退院または転院となっていた。そのため水中毒の患者においては現在推奨されている血清ナトリウム値の補正速度よりも速い補正を行なったとしても有害事象を生じる可能性が少ないことが示唆される。