第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P79] 一般演題・ポスター79
患者管理04

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:稲波 享子(京都第一赤十字病院)

[P79-7] 【優秀演題(ポスター発表)】脳出血患者のFOURスコアおよびNPiと予後の関連性の検討

椎葉 望美, 宮島 葵, 池田 めぐみ, 鈴木 貴子, 川野 マキ (潤和会記念病院 看護部)

【背景】GCSとJCSは挿管患者の意識レベルの評価が困難である.近年,挿管中でも意識レベルの評価が可能なFOUR(Full Outline of UnResponsiveness)スコアが主流であり,死亡率の予測はGCSより有効である.一方,定量的瞳孔計(NPi-100)で得られたNPi(Neurological Pupil index:神経学的瞳孔指数,正常値3.0以上)は客観性に優れ,瞳孔異常が頭蓋内圧上昇に先行し,心停止患者の予後予測に有効である.脳出血患者においてFOURスコアとNPiの関連性は明らかではない. 【目的】FOURスコアおよびNPiと予後の関連性を脳出血患者で調査する.【方法】前方視的に観察研究を行った.当院倫理委員会の承認と患者本人または家族の同意を得た.開示すべきCOIはない.脳出血でICU入室した患者を対象とし患者背景と疾患,障害部位,術式,出血量,呼吸器の有無,予後を調べた.ICU入室直後,手術直後,入室3時間後,6時間後,24時間後,退室時にJCS,FOURスコアとNPiを測定した. FOURスコア0-4:1群,5-8:2群,9-12:3群,13-16:4群に分類し,この4群とNPiとの関連性を調べた.統計はフィッシャー検定,ピアソンの相関係数の検定,一元配置分散分析とTukey-Kramer法を用いた.【結果】患者:45人(男性:23人,女性:22人,平均:69歳).脳出血:27人,くも膜下出血:13,急性硬膜下血腫:5.平均ICU入室期間:4.1日だった.手術あり:12人,手術なし:43.脳出血患者の出血量10ml以下:8人,10-29:5,30-49:4,50-69:3,150l以上:2.呼吸器装着あり:8人,なし:37. NPi正常値患者:39人,異常値:6だった.予後は死亡:4人(NPi正常:1人/異常:3人),退室時の意識レベルは,清明:21(21/0),JCSI桁:9(8/1),II桁:9(8/1),III桁:2(0/2)だった.FOURスコア1群:22回(NPi:正常1回/異常21回,平均値0.2),2群:11(10/1,3.5),3群:49(42/7,3.7),4群:154(154/0,4.3)だった. 【結論】NPi異常は死亡率:50%,正常;2%で有意差を認めた.またFOURスコアの死亡率は1群:75%,2群:50,3群:0,4群:0だった.1-3,4群,2-3,4群に有意差があった.NPi異常はJCSIII桁が100%だった.FOURスコアとNPiは,ピアソンの相関係数(P=0.11)で相関はなかった.しかし,1群-2,3,4群, 2群-4群,3群-4群の群間に有意差があった.NPiは比較的重症な場合有用であった.NPiとFOURスコアは,脳出血患者の客観的な評価を行える可能性が有る.