第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P80] 一般演題・ポスター80
患者管理05

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場18 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:小杉 一江(地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院看護部)

[P80-2] Jonsenの臨床倫理4分割表を用いた多職種カンファレンスの検討

山田 美佑1, 加藤 建吾1, 畑 貴美子1, 鍋島 正慶2, 牧野 淳1 (1.横須賀市立うわまち病院 特定集中治療室, 2.東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科)

【背景】
集中治療は多職種協働医療であり、常に変化する患者の容体に合わせて臨床上の疑問点を共有し患者への介入方法を統一する必要がある。当院の集中治療室では治療法や介入方法が複雑化してきた場合、定期カンファレンス以外に多職種カンファレンスを行っている。今回、Jonsenの臨床倫理4分割表の方法(以下、4分割法)を活用し多職種カンファレンスを行った。
【目的】
従来のカンファレンスと4分割法を活用したカンファレンスに対する参加者の知覚を明らかにし、今後の活用方法を検討する。
【方法】
カンファレンス終了後、参加者から4分割法を活用したカンファレンスへの意見を聴取した。
【結果】
当院集中治療室での従来のカンファレンスの方法は、患者についての各専門分野にフォーカスを当てた情報をスタッフ毎に発言する方法であった。発言後、司会者がこれらの情報を集約し、今後の方向性を確認していた。今回活用した4分割法は、医学的適応、患者の希望、周囲の状況、QOLの枠の中に情報を記入し整理することにより、倫理的課題を検討する方法である。情報整理後、結果的に患者、家族、医療者のQOLが改善するかを確認した。カンファレンス時間は約30分であった。参加者からは、「視覚化されてわかりやすい」「QOLを一番に考える方法としてとてもわかりやすかった」「これまでは家父長主義なカンファレンスになりがちであったが、4分割法では患者本人にとってより良い選択を考えられた」という意見があった。一方、「訓練された人が司会をやらなければまとめることが困難」「自分が司会をやることは難しい」という意見があった。
【結論】
倫理的に介入方法が複雑化した場合、Jonsenの4分割表を活用してカンファレンスを行うことは有用であるという意見が多かった。一方、司会者となる場合、専門的なトレーニングが必要である可能性を示唆した。