第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P82] 一般演題・ポスター82
検査法・モニタリング03

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場20 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山本 良平(亀田総合病院)

[P82-1] 橈骨動脈ラインの固定装具の検討

眞籠 麻美, 岩渕 雄多, 住本 誠一 (市立旭川病院 看護部 集中治療室ナースステーション)

【はじめに】当院では動脈ラインのほとんどが橈骨動脈に挿入されている。しかし橈骨動脈は患者の手関節運動の影響を受け圧波形の表示不良を招いたり、挿入部の腫脹や出血により抜去となることがある。動脈ラインが安全に使用できるようにシーネを使用し手関節を固定しているが、動脈ラインの抜去や再挿入する事例があるため、現状のシーネ固定では安全面が不十分と考えた。そこで手首サポーターの構造が動脈ライン保護に有用ではないかと考え、手首サポーター保護で動脈ラインがどれだけ適切に管理でき、安全に使用できるのかを検証した。【研究目的】橈骨動脈ラインを挿入した患者に手首サポーターを使用し、入室から退室までの期間、安全に使用できるかを検証し、現状のシーネ固定と比較する。【研究方法】ICU入室時、橈骨動脈ライン挿入患者にシーネもしくは手首サポーターを退室時まで装着し、動脈圧波形表示不良、ライントラブル、動脈ラインの再固定、動脈ライン抜去、皮膚トラブルの有無についてチェックリストを用いて各勤務で状態観察し結果を集計する。研究終了後はスタッフに聞き取り調査を行い評価する。【結果】動脈圧波形表示不良については有意差がなかった。シーネにはライントラブル・動脈ライン抜去、テープ再固定がみられた。手首サポーターにはテープ再固定はみられたがその他トラブルがなかった。【考察】手首サポーターとシーネを比べ動脈圧波形表示不良に有意差はなかったが、手首サポーターは動脈ライントラブルや抜去がなかったという結果になった。手首サポーターは手関節が前屈しないように開発されており、手関節が保持されることにより安全面が向上したと考えられる。シーネはバンド2本で固定はしているが、手首サポーターに比べて手首を自由に動かすことが可能なため、体動の際に固定自体がずれてしまい、結果ライントラブルや抜去に至ってしまったと考えられる。そのため、安全面では手首サポーターが優れていたといえる。しかし、手首サポーターは手首全体が覆われているため、刺入部の観察がしにくいといった欠点があった。シーネは刺入部が露出しており、ドレッシング剤の上から直接触れる事ができたため、観察が容易といった利点があった。【結論】 手首サポーターには動脈ラインが抜去になった事例やライントラブルが起きた事例がなく安全面の向上が明らかとなった。