第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

呼吸 研究

[P83] 一般演題・ポスター83
呼吸 研究02

2019年3月3日(日) 11:00 〜 11:50 ポスター会場1 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:門田 耕一(岡山大学病院 総合診療棟ICU/CICU)

[P83-5] UPS下におけるAIRVOTM2(ハイフローシステム)の稼働を比較して

小原 祐介, 上岡 将之, 堀井 京子, 細川 正浩, 小橋 和彦 (JA茨城県厚生連 総合病院 土浦協同病院 臨床工学部)

【背景・目的】 近年集中治療室における早期離床・リハビリテーションの重要性が唱われ、平成30年度の診療報酬改訂において改訂対象となるなど、注目されている。また当院において、人工呼吸器やNPPV管理下の検査依頼も増え、早期離床と検査対応の一助となることを期待し、呼吸サポートデバイスとしてHigh-Flow nasal cannula専用器に無停電電源装置(以下UPS)を搭載した。(以下ハイフローシステム)そこで当院のハイフローシステムにおけるUPS稼動の比較を報告する。【対象・方法】 一般家庭用UPS(以下一般UPS)、医用UPSを搭載したハイフローシステムを対象とし、両者に電源品質アナライザを接続した。評価項目は、同一環境下における電圧変動から稼動時間を測定。計測時の設定は、送気流量20L、40L、60L/min、Fio2と加湿器温度は、それぞれ21%、37℃固定とした。電力計はPower Quality Analyzer(HIOKI)、医用UPSはREMiO 1.0kVA(ニシム電子工業株式会社)、一般UPSはUPS mini 500-2 YECP-051MA 0.5kVA(ユタカ電機製作所)、High-Flow nasal cannula専用器は加温加湿器搭載型フロージェネレーター AIRVOTM2(Fisher&Paykel Helthcare)を使用した。【結果】 稼働時間は送気流量20/40/60[L]設定において、医用UPSは121/88/69[min]、一般UPSは33/25/18。規格概要として、医用UPSの寸法(幅/高さ/奥行[mm]/質量[kg])145/216/390/16.5、一般UPSは76/177/233/3.9であった。【考察】 稼動時間において、両者で流量増加に従い稼働時間が短縮された。これはAIRVOTM2の送気方法が、ブロアからRoomAirを取り込み、高流量により消費電力が増加したことによる影響と推察された。また、一般UPSにおいて医用UPSより稼動時間が短いが、これは容量の違いによるものである。急性期離床プログラムでは、安静臥床期間を短縮し、早期からの歩行テストによる負荷試験をステージ形式で実施し、運動療法導入を目標とした訓練を患者のペースに合わせ行うとされており、20~30分の短時間使用が予想され、運用可能な範囲内であると推察された。 規格概要において、医用UPSは重量があるため、歩行訓練時の負担となることが危惧された。一般UPSは軽量コンパクトであり訓練以外に転棟や、検査対応への応用も期待できると考えられた。【結語】一般UPSでの動作は可能だが運用方法を考慮した選択が必要である。