[P84-1] Semi-closed ICUにおける人工呼吸器離脱プロトコル導入効果の検討
【背景】Open ICUでは担当医が日常診療と並行して人工呼吸器離脱を進めるため、離脱の遅延や失敗が発生する割合が増えることが懸念されている。人工呼吸器離脱プロトコルの導入により再挿管率が減少することが報告されている一方で、closed ICUでは人工呼吸器離脱プロトコルはあまり有効でないとの報告がある。日本ではopen とclosedの中間的な運営を行っているICUが数多くみられるが、そのような運営形態のICUにおける人工呼吸器離脱プロトコルの有用性は明らかではない。【目的】Semi-closed ICUにおいて、人工呼吸器離脱プロトコル導入前後における再挿管率を比較する。【方法】単施設、観察研究。2017年9月から2018年8月の間に信州大学医学部附属病院集中治療部で気管挿管下人工呼吸管理を行い、人工呼吸器離脱プロトコルを用いて呼吸器離脱を行った患者のデータを前向きに取得した。プロトコル導入前の2016年1月から2016年12月に気管挿管下人工呼吸管理後に人工呼吸器を離脱した症例の後ろ向きデータと比較した。再挿管率を主要評価アウトカムとした。【結果】前向き観察期間中の適応症例は272例であった。同意が得られなかった11症例を除いた261例のデータを解析した。プロトコルの使用率は89.5%(230/261例)、プロトコル逸脱は14.2%(33/232例)であった。プロトコル導入前の再挿管率は7.4%(18/244例)、導入後の再挿管率は3.1%(8/261例)(p=0.026)であった。【結論】Semi-closed ICUにおいて、人工呼吸器離脱プロトコルを導入することによって再挿管率を下げることができた。