[P84-4] ICU看護師の気管吸引手技に関するコンプライアンスの実態
【背景】吸引は、患者にとって非常に侵襲の大きい看護手技である。しかし、吸引に対する教育は臨床現場以外では系統的な教育が不十分であることが、以前実施した研究結果で明らかとなった。そのため、施設内において吸引に関する教育を実施した。教育によって、吸引に関する一通りの知識は身につけることができたが、実際に吸引手技が適切に実施できているかは不明である。そこで、吸引が正しい手技で実施されているかについて、実施状況の調査を行った。
【目的】ICU看護師の気管吸引手技に関する遵守状況を明らかにすること。
【方法】吸引の教育後に、喀痰吸引を実施する機会が多いICU看護師30名に対して、気管吸引の実施前のアセスメントから実施中の手技や評価における実施時における一連の流れについて、研究者2名で観察評価を行った。項目は「必要性のアセスメント」「患者への説明」「手指消毒・感染対策標準予防策の実施」「カフ圧の確認」「口腔内・声門下分泌物吸引の実施」「カテーテル挿入の長さの確認」「吸引時間15秒以内」「吸引圧20kPa以下」「吸引後カテーテル内の洗浄」「効果判定・合併症発生の有無の確認」の10項目で、各項目について「実施している」または「実施していない」の2項評価を行った。本研究にあたっては、当院の調査研究支援委員会での倫理審査を受け、承認を得て実施した。
【結果】吸引手技において実施率が一番高かったのは「患者への説明」と「吸引後カテーテル内の洗浄」で実施率は97%であった。次いで「効果判定・合併症発生の有無の確認」が83%、「必要性のアセスメント」と「手指消毒・感染対策標準予防策の実施」が80%であった。実施率が50%未満であった手技は3項目で、「カテーテル挿入の長さの確認」が47%、「カフ圧の確認」が43%、「吸引圧20kPa以下」が23%という結果であった。
一連の吸引手技において、すべての項目で実施しているのは30名中1名で、全体の0.03%であった。
【結論】吸引の実施状況を評価した結果から、教育によって知識を習得しても、その後の実践として吸引手技が適切に実践できているとは言えなかった。吸引手技については、教育による知識の習得のみならず、その知識に基づき患者に実践できることが重要である。そのためにも、教育後の臨床現場においても実際に手技の確認を行う等、継続的な関わりが必要である。
【目的】ICU看護師の気管吸引手技に関する遵守状況を明らかにすること。
【方法】吸引の教育後に、喀痰吸引を実施する機会が多いICU看護師30名に対して、気管吸引の実施前のアセスメントから実施中の手技や評価における実施時における一連の流れについて、研究者2名で観察評価を行った。項目は「必要性のアセスメント」「患者への説明」「手指消毒・感染対策標準予防策の実施」「カフ圧の確認」「口腔内・声門下分泌物吸引の実施」「カテーテル挿入の長さの確認」「吸引時間15秒以内」「吸引圧20kPa以下」「吸引後カテーテル内の洗浄」「効果判定・合併症発生の有無の確認」の10項目で、各項目について「実施している」または「実施していない」の2項評価を行った。本研究にあたっては、当院の調査研究支援委員会での倫理審査を受け、承認を得て実施した。
【結果】吸引手技において実施率が一番高かったのは「患者への説明」と「吸引後カテーテル内の洗浄」で実施率は97%であった。次いで「効果判定・合併症発生の有無の確認」が83%、「必要性のアセスメント」と「手指消毒・感染対策標準予防策の実施」が80%であった。実施率が50%未満であった手技は3項目で、「カテーテル挿入の長さの確認」が47%、「カフ圧の確認」が43%、「吸引圧20kPa以下」が23%という結果であった。
一連の吸引手技において、すべての項目で実施しているのは30名中1名で、全体の0.03%であった。
【結論】吸引の実施状況を評価した結果から、教育によって知識を習得しても、その後の実践として吸引手技が適切に実践できているとは言えなかった。吸引手技については、教育による知識の習得のみならず、その知識に基づき患者に実践できることが重要である。そのためにも、教育後の臨床現場においても実際に手技の確認を行う等、継続的な関わりが必要である。